4章 『魏志倭人伝』の記事は歴史を記す
3章で説明したように、『古事記』伊耶那岐命の黄泉国(よみのくに)訪問説話は、伊耶那美命(倭女王壱与)の遺志をまもり徇葬(じゅんそう)に反対して〔命の尊ぶ〕ことがもっとも大事であると説く。
だから、『古事記』上巻・日本神話は終始一貫して、日本建国の〔愛〕の理念をテーマにして〔命の尊さ〕を説く。
『古事記』が著作された当時の皇室と律令体制は強大な権力を誇示して、日本建国の〔愛〕の理念を排除し抹殺せんとした。編纂スタッフはこの強大な権力に反抗して、日本建国の〔愛〕の理念と歴史を後世に伝えようと『古事記』を完成させた。このような秘密があったために、『古事記』日本神話に登場する英雄たちの尊称は[命]と表記され、この[命]は「みこと」と読む。
「みこと」と読む[命]は〔命の尊さ=残虐非道な徇葬の廃絶〕をあらわし、伊耶那岐命が千引の石の前で「吾一日に千五百の産屋立てむ」と誓った日本建国の〔愛〕の理念を示唆するものであったのである。
学者たちが主張する定説となる日本神話虚構説は、『古事記』上巻・日本神話全体を貫いて明確に語られる日本建国の〔愛〕の理念がまったく察知できない。『古事記』が成立した当時は、天皇と国家が権力の強大化をはかる時代であったから『古事記』上巻・日本神話は当然国威宣揚を意識した国家神話になったにちがいないので、日本神話は虚構であると断定できると学界は主張する。しかし、この日本神話虚構説は事実に反する憶測で、『古事記』上巻・日本神話は朝廷と律令体制に反抗する、日本が〔愛〕の理念のもとに建国された歴史を伝える文献史料だったのである。だから、日本神話虚構説も、邪馬台国説同様に誤読の空論にして亡国の空論ということになる。
2章で指摘したように、『魏志倭人伝』の記事は一字も曲げないで忠実に読むことによって、歴史の真相が解明できる。
『魏志倭人伝』の記事を一字も曲げないで読むと生じる数々の問題点や疑問点は、歴史上の事実であった。この史実は、わたくしが発見した建比良鳥(たけひらとり)の地上絵ですべて解明でき、またすべて明確に証明できる。
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