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2011年9月28日 (水)

ワディ・エル・ホル文字 碑文1の左端の図書について

紀元前20世紀頃に出現したワディ・エル・ホル文字は、ABC・アルファベットのルーツとされる。

ワディ・エル・ホル文字は、首都テーベと緯度で28分北に位置するアドビスを結ぶ軍用・商用道路沿いの、ナイル河のキナー河曲にある涸れた谷である。

アドビス(北緯26度11分)の天頂に、はくちょう座のσ星がめぐってきた。したがって、はくちょう座σ星をキャッチすればアドビスの天頂緯度を精密に測定できる。

首都テーベ(北緯25度43分)の天頂に、はくちょう座τ星が輝いた。ゆえに、はくちょう座τ星をキャッチすればテーベの天頂緯度が精密に測定できた。

ワディ・エル・ホル谷から発見された岩に刻まれていた文は、横に16字が並ぶ「碑文1」と、右上から左下へななめに12字が並ぶ「碑文2」と呼ばれる2種類がある。

ワディ・エル・ホル文字を研究する米国のダーネル博士は、碑文1の左端にある図書を文字と定めない。

しかし、碑文1の左端にある「右側が菱形状となり左側が翼・尾のように観える、小鳥が飛ぶような形」の図書も、文字ではなかろうか。

この「菱形と飛ぶ小鳥の合体形」のように観える字の形は、アドビスの天頂点となるはくちょう座σ星の北隣に広がる「コールサックの北部」の形に相似する。

「コールサック」は国際的天文学の名称である。はくちょう座の中央部が漬かる「人の横顔に酷似(こくじ)」する銀河の東隣に、印象深い「暗黒天体部」がある。この「暗黒天体部」を「コールサック」と呼ぶ。

「コール」すなわち「石炭のように黒い」、「サック」は「袋」であるから、「コールサック」は「石炭を入れる袋のように真っ黒な天体部」ということになる。

この「コールサックの北部」は、ABC・アルファベットの「A」となったワディ・エル・ホル文字の「雄牛の頭」を図案化した〈アレフ〉の「雄牛の頬と喉と角の部分」に相当する。

以上のごとく、碑文1の左端にある「菱形と飛ぶ小鳥の合体形」のように観える図書も字であると考えられ、この字の字源は「コールサックの北部」であると考えられる。

ダーネル博士は、ワディ・エル・ホル文字は14字と定めた。

しかし、9月14日のブログにて指摘したように、ダーネル博士は「両手を挙げて座る人」をあらわす字と「片手を口のほうに挙げて踊る人」をあらわす字を同じ字としたが、両字は別字で2字であろう。

また、9月26日のブログにて指摘したように、「突き棒」を図案化した字と「犁(すき)」を図案化したと考えられる2字において両者の向きが180度回転したように異なるが、博士はこの2字も1字と数えた。しかし、2字ではあるまいか。

また、9月27日のブログにて指摘したように、博士は形が異なる形の「曲がり角」を図案化する2字を1字とするが、2字ではあるまいか。

そして、今日、博士は字と数えなかった碑文1の左端の「菱形と小鳥の合体形」のような図書も字であるにちがいない。

この結果、ワディ・エル・ホル文字は、14字ではなく18字であると考えられる。

これで、ワディ・エル・ホル文字のすべての字の字源は解説した。

次回は、碑文1と碑文2はどのような事柄を表現しているのか仮説を立てることにする。

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