枯山水の名園で有名な竜安寺の石庭は”世界の文字は銀河から作られた”と証言する・8
夏音文字の学芸における最も優れた最高の才能は「徳」と称された
また、夏音文字の学芸における最高に難解な深遠な学理は「真」と称された
「徳が優れる」ことを「徳が升(のぼ)る」と表現された。「升る」は「天頂点となる銀河部位が地平線から上って、天頂点に位置に到達する」と意味した。ゆえに、「精密に天頂緯度を測定できる才能」が「徳」である。
わが国の古代中国文字研究の第一人者とされる白川静著『字統』(平凡社)は、[直]の字源解説において[徳]の字源を下記のごとく解説する。
「直は徳と声義ともに近い字であり、その呪能(じょのう)の内面化したもの、その能力がその人格に固有のものとなったとき、これを徳という。直はいわばその直接的な呪力の表現ということができよう。またその呪力は、正しく立って相対(あいむか)うときに威力を発揮するので、相値(あいあ)う意となり、植(た)てる意となる。」
精密に天頂緯度を測定した視線は〔天球面と直角に交わる〕。この「天頂点をキャッチしたときの天球面と〔直角〕に交わる視線」が「直」の字源である。上記の白川静著『字統』における「相値(あいあ)う意となり、植(た)てる意となる」という解説のうち、「相値う」は、「天頂緯度=天頂緯度を測定した地点とその観測測定に居る人の緯度」という意味である。また、「植てる」は「真っ直ぐな木(柱)を地面に対して直角になるように立てると、その木の先端は天頂点をキャッチする」という意味になる。だから、[徳]は「天頂点をキャッチできる才能」ということになる。
天頂点をキャッチした視線は 天球面と〔直角〕に交わる[直]の字源となる視線である。 この「天球面と〔直角〕に交わる視線」を、竜安寺の石庭は南面から西南の角で〔直角〕に曲がる西端の油土塀(あぶらどべい)であらわす。
第1群の大石は夏の銀河の西南部の西半分の銀河形に見立てることができるように、 円く突き出た臨月(りんげつ)の妊婦のおなかのような形をしている。
このように臨月の妊婦のごとく円く腹部を突き出して天を仰げば、天頂点がキャッチできた。上記に示した白川静著『字統』の「その呪力は、正しく相対(あいむか)うときに威力を発揮する」という字源解説は「妊婦のように腹部を円く突き出して天を仰ぐポーズになれば、緯度が精密に測定できる天頂点がキャッチできる」と説明するものであったのである。
「天を仰ぎ見る人・僧侶の頭部」のような形をしている東端の第1群の大石は、[徳]の字源「天頂点をキャッチできる能力を修得した人物の横顔」をあらわす。中央の第3群の横三尊(よこさんぞん)の大石も「天頂点をキャッチできる能力がそなわった人の横顔」をあらわす。西端の第5群の大石も「天頂点をキャッチせんと天を仰ぐ人の横顔」をあらわす。したがって、この3群の大石は[徳]と[直]の字源をあらわしていることになる。
また、第1群れの大石は”親の虎の横顔”にも観える。
この竜安寺の石庭の秘密を解説する2回で指摘したように、第3群の大石は”虎の子の横顔”に相似する。
第5群の大石は私が「人の横顔に酷似する銀河」と名づけた銀河に酷似する。この「人の横顔に酷似する銀河」は「親の虎の横顔」に観える。
このように、第1群と第5群の大石は”親の虎の横顔”、中央の第3群の大石は”虎の子の横顔”に相似するので、石庭は俗に”虎の子渡しの庭”と称されることになったのである。
[直]の下に[八]を加えると [真]の正字[眞]の字形に相似する。[直]と[真]の頂部は[十]であるが、[眞]の頂部は[匕]であるから[直]の頂部の[十]と異なる。
[眞]を上から分解すると[匕]・[目]・[∟]・[八]となる。
このうちの[目]と[∟]は、[直]の[目]と[∟]が示す「天球面と直角(∟)に交わる視線(目)」をあらわす。
頂部の[匕]と足部の[八]は、前々回(6)で紹介した竜安寺の発行パンフレットの「禅とは……」で列記される――●「無」「無我」「無心」の宗教である ●「成り切る」「死に切る」即ち「断命根」の宗教である――と説明する禅の哲学をあらわす。
天頂点をキャッチするときの心得は”狭い産道をくぐる胎児のように、無・無我・無心であれ”であった。”必ず天頂点をキャッチして家族は待つ家へ帰る”という慾を抱いたり、また”はたして天頂点をキャッチできたであろうか”と疑念を有すると、天頂点がキャッチできず道に迷って落命することになった。医学が発達していなかった古代においては、産道をくぐって生まれる胎児は生と死が隣合わせの状況であった。この状況にもとづき、天頂点をキャッチするときの心構えは「胎児のように成り切れ」「死に切る覚悟で天頂点をキャッチせよ」となり、この覚悟が禅宗の「断命根」の哲学となったのである。
これゆえ、[匕]は「死産せずに、取り上がられて命が与えられた新生児」を図案化したものであり、[八]は「臍(へそ)の緒(お)を切って母体と別れる箇所の、母体の両足」を図案化したものである。
子宮で育つ12週~20週の胎児の頭は母体の頭の方に向き、20週~28週になると、180度転回して胎児の頭は母体の足の方に向く。
そして、産道をくぐって頭が誕生する娩出期(べんしゅつき)の胎児の顔は母体の背側に向く。この胎児の顔が母体の顔の方へ向くように裏返しにしながら、母体の乳房がある方へ取り上げたとき、胎児はこの世に生命をさずかったことになる。
この「180度に転回して、娩出期において裏返しにされて、90度の方向へ取り上がられる」胎児の一連の動きを、[眞]の頂部の[匕]があらわす。
[眞]の頂部の[匕]の字形は「[人]の字を180度相対(あいむか)う形にし、この形を裏返しにして、さらに 90度転回する形」である。
甲骨文字と金文の[人]の字形は「背を丸くかがめる胎児の姿」を図案化したものである。ゆえに、[人]の字源は「胎児」である。
[眞]の頂部の[匕]は「[人=胎児が子宮で育って180度転回して頭を母体の足の方に向く成長の段階」を「180度相対う形」であらわし、さらに「胎児が母体の背側に顔を向いて生まれると、裏返しにして90度の方向へ取り上げる」の様子をあらわす。これゆえ、[匕]の字は[人]の字形を180度転回したものを裏返しにし、さらに90度横転させた形」である。だから、上の赤い太字で示したように、[匕]は「胎児が子宮で180度向きを変え、裏返しにして90度転回するようにして取り上げられてこの世に生命をさずかる胎児の姿」をあらわしている。
『説文解字』は[八]の字源を「別(わか)るるなり」と解説する。つまり、[八]の字源は「母体の足の部分で別れて、臍の緒を切られる胎児」ということになる。
この竜安寺の石庭の秘密を解説する3回で指摘したように、1つの大石と2つの小石で組織される第3群の「横三尊」は[尊]と[命]の字源銀河は同じ「長方形の暗黒天体部」であるとあらわす。そして、[八]の字源をあらわして、「大石」は「母体の子宮・腹部」をあらわし、2つの小石は「母体と胎児が別れる、母体の両足の部分」に相当する仕組みになっている。
第5群の石組のほうから第3群の石組をとらえると、「第3群の石組」は「子を出産する母体の腹部と両足」に観え、「第5群の大石」は「出産する胎児の頭」に観えるようになっている。ゆえに、「横三尊」という石組の名には「第3群の石組を90度転回して[匕]の字源を察知せよ」という暗号の役目がある。
以上のごとく、夏音文字の学芸における最高の能力と尊ばれた[徳]の字源において「天球面と90度に交わる視線」をあらわす[直]の字がどうしても必要となった。難解な最高の深遠な学理とされた[眞]の字源においても[人]の字が[匕]となる「90度の転回」がどうしても必要となった。
[眞]の字形中央の[目]と[∟]は[直]と同じく「天球面と90度にまじわる視線」をあらわす。 これゆえ、〔天に命を委(ゆだ)ねる〕の[委]と、「天体の運行にしたがって、東を90度転回して南にする・西を90度転回して北にする」をあらわす[倭]の字も作られたのである。
だから、『魏志倭人伝』には「日本列島の東が南となり・西が北となる」と90度転回する方位規定の記述があり、この日本列島を90度転回した地理を制定した卑弥呼が統治した国の略称は「倭国」であり、正式名は「倭人国」であると記載されたのである。
卑弥呼が生存した当時、中国と日本列島の天頂に[命]と[尊]の字源となる「長方形の暗黒天体部」がめぐってきた。この「長方形の暗黒天体部」は[人]の字源にもなった。というのも、「長方形の暗黒天体部」は[人]の字源の「胎児」が生まれる「産道」に見立てられたので [人]と[命]の字源となったのである。ゆえに、「倭国」の正式名は「倭人国」であった。 中国の正史『後漢書(ごかんじょ)』倭伝は、倭人国の隣国の国名は「東鯷人国(とうていじんこく)」であったと記載する。というのも、その国の天頂に[人]の字源となる「長方形の暗黒天体部」がめぐってきたからである。この「長方形の暗黒天体部」から[眞]の字源が作られた そして「長方形の暗黒天体部」は天頂点をキャッチするのに最も理想的な天体部であった。
このことは、この竜安寺の石庭の秘密を解説する3回で指摘したとおりである。
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