枯山水の名園で有名な竜安寺の石庭は”世界の文字が銀河から作られた”と証言する・12
前回(11)で解説したように、竜安寺の石庭は、5群の石組の合計15個の石を、どこから見ても1個足りない14個しか見えないようにして、15個の石で【超合理】、14個の石で【合理】をあらわす。
このような仕掛けがあることは、竜安寺に設置される「知足(ちそく)の蹲(つくばい)い」という名の手水鉢(ちょうずばち)で示される。
知足の蹲いは、石庭の東北に設置される。
この東北(東から45度の方角)の地平線から、天頂にめぐってくる銀河部が出現する。
夏音文字の学芸は、天頂にめぐってくる「十字の銀河」を基軸にして構築された。
5群の石組が設置される南北10m・東西20mの石庭の部分は、『魏志倭人伝』の卑弥呼や壱与(いよ)が生存した後期弥生時代の天頂にめぐってきた「長方形の暗黒天体部」をモデルにして作られた。夏音文字の学芸においては〔天頂点のキャッチ(精密な天頂緯度の測定)〕が最も重視された。
このことを表示して 知足の蹲いは天頂点をキャッチできる銀河部が地平線から出現する石庭の東北に設置された。
石庭と方丈の東北に、蔵六庵(ぞうろくあん)の茶室がある。その前に水戸光圀(みとみつくに)から寄進されたという知足の蹲いがある。
知足の蹲いの中央には、正方形の手を洗う水穴(この水穴は”海(うみ)”と称される)がある。この「正方形の水穴」は、5群の石組を配置する石庭の部分は〔東・西、二つの正方形から成る〕と示すものとなる。言い換えると、知足の蹲い中央の「正方形の水穴」は夏音文字が記載される『魏志倭人伝』の時代には、天頂に「二つの正方形から成る長方形の暗黒天体部」が天頂にめぐってきたとあらわすものとなる。
知足の蹲いは56㎝の円形の手水鉢であり、中央の海(水あな)は23㎝の正方形となる。
この中央の正方形の海(水穴)の周囲四方の北・東・西・南に五・隹・矢・疋の4字が刻まれる。
中央の正方形[□]を[口(くち)]の字に見立てて 北に配する[五]と[口]を組み合わせて[吾]の字とし、東に配するの[隹]と[口]を組み合わせて[唯]の字とし、西に配する[矢]と[口]で[知]の字にし、南に配する[疋]と[□]を組み合わせて[足)]の字にし、この「吾唯知足」の4字を「吾(われ)唯(た)だ足(た)りるを知る」と読むようになっている。
この「吾唯だ足りるを知る」は「知足の者は貧しいといえども富めり、不知足の者は富めるといえども貧しい」という禅の精神をあらわしているという。
つまり「吾唯だ足りるを知る」という文は「銀河から作られた文字の学芸を学んで【超合理】の考えを手に入れた者は富を得られず貧しくても精神豊かで富んでいるが、銀河から作られた文字の学芸を知らないで【合理】の考えで止まり富を得たとしてもそれは心貧しい劣った者といわざるをえない」と意味するものとなる。
前回でも指摘したように、『老子』の第33章には「足るを知る者は富み」という文があり 第46章には「知足の足は常に足る」という文がある。さらに 第44章に「多く蔵(ぞう)すれば必ず厚く亡(うしな)う。足(た)るを知れば辱(はずか)められず、止(とど)まるを知れば殆(あや)うからず」という文もある。
水穴の北・東・西に配される吾・隹・矢はほんとうに存在する字であるが、南にある[口]と組み合わせて[足]となる字だけは存在しないウソ字である。
上記に[口]と[疋]と組み合わせて[足]の字になると指摘したが、[口]の下に[疋]を加える字は[足]とならない。[足]の字にするには[疋]の頭頂部の〔[一]に左へはねる爪〕を欠けるようにしなければならない。
5群の石組が設置される平庭の部分は、二つの正方形で構成される。しかし、第1群・第2群の石組がある東と庭園部の正方形は東端が欠けていて正確な正方形ではない。第3群・第4群・第5群の石組がある庭園部は正方形となる。
正しい正方形ではない東の庭園部に設置される第1群の石組の石は5個、第2群の石組は2個で、合計7個である。
正しい正方形となる西の庭園部に設置される第3群の石の数は3個、第4群は2個、 第5群は3個で、合計8個である。
このように 東の正しい正方形ではない東の庭園の石の数が「1個少ないで」で「不知足の者は富めるともいえども貧しい」をあらわし、西の正しい正方形の「1個多い」で「知足の者は貧しいといえども富める」をあらわすものとなる。
また[疋]の頂部の[一]がウソ字で【合理】をあらわし、このウソ字の頂部に[一]を足す[疋]で【超合理】をあらわしている。
前回で説明したように、1980年代に入って、先端科学者や科学論家たちは、西欧近代科学の【合理】の考え方には――傲慢(ごうまん)な単純化、無秩序から秩序が創造できない、複雑なものを複雑にあつかうこといができない――など、幾つかの誤りや欠陥が存在すると指摘し、老子の【超合理】の考え方のほうが西欧近代科学の【合理】の考え方よりも優っていると見直し、現在の先端科学界は【超合理】の考え方が支配するようになった。
竜安寺の知足の蹲いと石庭においては、知足の蹲いの①頂部に[一]が足りないウソ字で【合理】を示し、頂部に[一]を足すとほんとうに存在する正しい字の[疋]の字で【超合理】が示され、 ②東端が欠ける正しい正方形でない東の庭園部と第1群・第2群の石の7個で【合理】を示し、正しい正方形の西の庭園部と第3群・第4群・第5群の石の8個で【超合理】が示される。
また前回にて説明したように、③石庭の5群の石組の石はどこから見ても14個しか見えないようにして、見た目で石を14個と数えるウソの数で【合理】をあらわし、ほんとうの石の数の15個で【超合理】があらわしている。
白川静著『字統』は[疋]の字形を「足の下半部の形、膝(ひざ)から下の象形字である」と解説する。この『字統』に所載される[疋]の膝から下の足を図案する甲骨文字の字形の足の指は人間の5本指ではなく3本指である。中国古代文字研究で有名な加藤常賢著『漢字の起源』(角川書店)は[正]の字形について「[足][正][疋]の三字はもとは一字である」と解説する。この解説の右側にある[足]の膝から下の足の部分を図案する足の指も3本指である。加藤常賢・山田勝美著『角川字源辞典』(角川書店)は[正]の箇所に3本指の膝から下の足の金文形を所載する。
2回前の10回で指摘したように、5群の石組の中央に配置される第3群の横三尊(よこさんぞん)は「子どもが生まれる母体の女陰部と両足」に見立てることができるようになっている。
これゆえ、第3群の石組は「十字の銀河の子宮」をも見立てることができる 「十字の銀河の子宮」は「十字の銀河の右足」と重なる。この「十字の銀河の子宮」は〔女性の子宮〕に見立てられたが、よく観てしばらく考えると〔人の足〕の形にも類似する。だから、倉頡伝説では、漢字作成原理は「鳥獣の足跡」と呼ばれたのである。「鳥獣の足跡」の「足跡」は「十字」の銀河の右足」と重なる、これだけが理由でけでなく、「十字の銀河の子宮」は「足」と「足跡」に見立てられたのである。「十字の銀河の子宮」を「足」の見立てると、この「足」は5本指ではなく、「3本指」となる。このように「十字の銀河の子宮」は「3本指の足」となるので、[足][正][疋]の甲骨文字と金文の字形では「膝から下の3本指の足の形」に図案化されたのである。
したがって、中央の正方形の海の[口]に[疋]のウソ字を加えて[足]とするのは、倉頡が発明した漢字作成原理〔鳥獣の文〕をあらわすものと解釈できる。ゆえに、『老子』の「知足」とは「〔鳥獣の文(鳥獣の足跡)〕の作成原理から生まれた文字の学芸を知る」と意味することになる。
上記に示したように、加藤常賢著『漢字の起源』という字源字書は「[足][正][疋]はもと一字である」と解説する。これゆえ、蹲いのウソ字の[疋]と[口]を加えて成立する[足]は[正]をあらわすものとなる。
5群の石組は斜(なな)めからとらえると銀河の形状に相似しないが、すべて正面からとらえると銀河各部の形状に相似するようになっている。だから [疋][足]の同字の[正]で「石庭の5群の石組はすべて正面からとらえた形はが銀河各部の形状に成る」とあらわすものとなる。
知足の蹲いは、単に『老子』第33章・第44章・第46章に記述される「知足」の思想だけを伝える機能に作られていたならば西欧近代科学の【合理】の考え方を示すものとなる。
しかし、知足の蹲いは、「知足」の思想だけをあらわすものでなく、石庭には【合理】と【超合理】の相違が示されていることをも表示し、また5群の石組の正面形が銀河各部の形状に相似することをも示し、さらに[一]が欠けるウソ字の[疋]の1字で[足][正][疋]の3字をあらわす仕組みで各1群の石組が複数(多数)の銀河各部の形状に相似するをあらわして「一即多、多即一」の考え方をもあらわす。
というのも、1ヵ所の銀河部の形状は1字の文字だけの字源・字形・字義(本義)に限定されるものではなく、1ヵ所の銀河部の形状は多数の文字の字源・字形・字義をあらわすものとなるゆえ、「一即多、多即一」の考え方をあらわすものとなる。
この「一即多、多即一」の考え方を、先端科学者たちは”分子生物学におけるDNAという小さい場に大きな情報に入っていることや、大脳論であらゆる記憶情報が大脳の全体にひろがっていて局所的ではないというホモグラフィーの科学に共通する”と指摘して、【超合理】の考え方をあらわすものであると指摘した。
だから、知足の蹲いもまた石庭にて展開される【超合理】の理論を示す模型の役目をしている。
約280年前、邪馬台国説は新井白石がデカルトから始まる西欧近代科学の【合理】の考え方を取り入れて始まった。
しかし、『魏志倭人伝』は西欧近代科学の【合理】の考え方では史実が絶対に解明できない史料であった。
『魏志倭人伝』は新井白石以前の日本人本来の【超合理】の考え方をすれば、歴史の真実が解明できる史料であった。
次回は 『魏志倭人伝』を西欧近代科の【合理】の考え方だと【誤読の空論】となるが、竜安寺の石庭で展開される【超合理】の考え方をするならば歴史の真実が解明できることを証明して、西欧近代科学の【合理】の考え方は日本古代史学にはミスマッチであることを明らかにする。
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