6・易
●【易えき】
◆[易]とは「大海を渡る時または遠くの地に旅する時、精密に天頂緯度と子午線をキャッチして、家族が待つ家に帰る術」のことである。
◆国家が樹立されなかった時代や国家による道路の整備が未熟であった古代、〔天の北極〕の高度で緯度換算し方位を計測すると、不精確であったので大海を渡る人々と遠くの地に行く旅人は迷って途中で命が絶え、家族が待つ家に帰還することができなかった。
これゆえ、A図に示すいろいろな道具で〔4~6秒ぐらいで天頂緯度線をキャッチし、天頂点の真南または真北にある目星(銀河部位・恒星・小さな黒点)などをキャッチできる眼力と技わざを鍛錬する、すなわち【易】の術の感覚を研ぎ澄ます習慣〕が栄えた。
◆〔天頂緯度線と天頂点をキャッチするときのポーズ〕は、B図に示すように〔妊婦のごとくおなかをつきだして天頂を仰ぐもの〕となった。
これゆえ、【用語の解説】の「5・漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕」の〔すべての文字を生む母体〕となった「十字の銀河」は妊婦の姿に観え、しかも紀元前4000年ころの三皇時代から紀元前206年の秦代末まで中国大陸の天頂にめぐってきたので、【易】の術の天頂点を示す基準ものさしとなった。つまり、中国各地の天頂点と重なる「十字の銀河の北から南までの各部位」は〔中国各地の天頂緯度の相違を示す目盛〕となった。
◆『図詳ガッケン・エリア教科事典』第7巻〔地球・宇宙〕(学習研究社)のおける「緯度の測定」と題する文章は下記のごとく指摘する。ただし、この文中の「北極」は「天の北極」のことである。
「緯度は北極の高度だから、簡単な方法は北極星の高度を測定すればよい。日付・時刻が決まれば、北極星の北極からのかたよりが計算できるので、北極の高度に換算できる。もっとも精密に測る方法は、子午線経過を天頂の南側と北側とで行い、そのときの天頂距離がほとんど等しいような一対の恒星を選んでおき、その天頂距離の差を測るのである。」
したがって、天の北極の高度で緯度換算する方法は天頂で緯度測定する方法より不精確であり、また天の北極の高度で緯度換算する方法の場合は、上記の説明が「時刻が決まれば」という条件を付けているように、今日のような精確に時刻を示す時計が必要となった。しかし、古代には今日のように精確な時刻を表示する時計が発明されていなかったので、天の北極の高度で緯度を換算して自分のいる位置を測量するとかなり不精確となった。それゆえ、天の北極を基準にする方法の場合、遠くの地に旅する人々や大海を渡る人々は道に迷って命を落として家族が待つ家に帰ってくることができなかった。
A図に示す道具で「天頂緯度線と天頂点の真南または真北にある目星を結ぶ子午線のキャッチする術」が、これが【易】である。
だから、【易】は上記の「子午線経過を天頂の南側と北側とで行い、そのときの天頂距離がほとんど等しいような一対の恒星を選んでおき、その天頂距離の差を測って手に入れる天頂緯度線の測定」と説明する面倒くさい手間を省き、「直に天頂緯度線そのものを測定する方法」であるので精密に緯度が測量できたことになる。
◆C図の歳差状況図に示すように、ほとんどの時代、北極星は天の北極から遠く離れていたので「点」としてとらえることができない真っ暗闇であった。現在の天の北極に重なるように接近する北極星(こぐま座α星)は、天の北極の位置を示す「点」となる極めて特殊な北極星である。しかし、古代のほとんどの時代、北極星は天の北極は遠く隔たり、天の北極は「点」としてとらえることができない闇空であった。ゆえに、このような天の北極を基準にして緯度換算する方法で大海を渡る人や遠くの地に旅する人は道に迷い死に絶え、家族が待つ家へ帰還することができなかった。
◆〔【易】の術〕を言い換えると〔[玄]のキャッチ〕となる。
次の【用語の解説】の「7」は【[玄]のキャッチ】である。ゆえに、この「6・易」に続き、「7・[玄]のキャッチ」においても【易】の術を解説することになる。
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