日本が滅びる・26
●すべての邪馬台国説は空想である
◆2013年8月6日、朝日新聞出版の『新発見! 日本の歴史』8号〔邪馬台国と卑弥呼の謎〕を購入した。案の定、内容は旧態の〔空想の世界〕から一歩も脱していない。
『新発見! 日本の歴史』8号の大見出しは“邪馬台国論争、決着はいつか?”であるが――わがブログ「卑弥呼の逆襲」を開いた瞬間から、この論争の決着はつくものとなる。 しかし、わがブログの意見は市民権を得るものではない。したがって、わがブログと同じように、古代史学の原理原則と初歩的心得に則って『魏志倭人伝』の全記事を忠実に読解しなければならないという考え方が市民権を得た時に、論争の決着がつくことになる。
◆とても信じられないことかもしれないが、畿内説・九州説はじめすべての邪馬台国説は「誤読」を駆使して創造された〔空想〕である。
というのも、(1)倭女王卑弥呼が居住した王国の名は『魏志倭人伝』には「邪馬台国」と記す箇所は1ヵ所も存在せず、『魏志倭人伝』はすべて「邪馬壱国(やまいこく)」と記すからである。(この問題は、古代史研究家の古田武彦氏が綿密に証明した)。また、(2)『魏志倭人伝』は、邪馬壱国はA図に示す山陰出雲地方(旧国の石見・出雲・伯耆、現在の島根県と鳥取県西部)であると明確に記述するからである。さらに決定的なのは(3)『魏志倭人伝』における最も多くの記述となる方位を記す記事や方位に関する全記事は一点も矛盾点も不合理な点もなく【科学】が成立し、この【科学】は〔[玄]のキャッチ〕と結びついてさらに壮大な超合理の【科学】を成立させる。これによって、すべての邪馬台国説は〔空想〕であると断定することができるからである。
◆したがって、『新発見! 日本の歴史』8号において5頁で関西大学教授の西本・昌弘(まさひろ)氏は「文献史料と考古遺物にもとづく客観的な議論にたえうるのは、畿内説と九州の二つに絞られる」と記述するが、この指摘は明確に誤っている。
畿内説と九州説の実体は――〔科学的手法〕と【科学】を同一視した思い込みによって、実体は〔空想〕であるものを〔客観的な議論にたえうる意見であると巧みに言いくるめる虚妄(きょもう)〕である。つまり、畿内説と九州説は濡れ衣を捏造(ねつぞう)して冤罪(えんざい)事件をひきおこす刑事たちの方法と同じ重大な誤りと過ちをおかすものである。
古代史学においては【科学】が成立しない意見はすべて「空想」であると決まっている。
◆『魏志倭人伝』における方位を記すすべての記述は、A図とB図に示すように、日本列島地理の方位規定は現在方位と異なり、時計回りに90度転位して「北→東・東→南・南→西・西→北」となると証言する。この転回方位を示す各々の記述は互いに合理が成立して一点の矛盾点も不合理な点も生じず、一つの合理的な組織体となり【科学】が成立する仕組みとなる――ただ一つ問題となる点は、実際は東へと伸びる日本列島を『魏志倭人伝』は「日本列島は南に伸びる」と証言することである。
◆学者たちは〔天の北極〕を重視する天文学知識にもとづき、A図とB図に示す〔南に伸びる日本列島地理〕は【科学】に反すると思い込んで“絶対に信じてはならない”と重大な歴史的事実を排除する。しかし、この転回日本列島地理をは卑弥呼王朝が正しいと錯覚した日本列島地理観であるゆえ、歴史上実在した地理観だったのである。
学者たちは、古代において、唯一〔[玄]をキャッチする方法〕のみしか大海を渡ることができなかったことに気づかず、日本列島は東へ伸びると察知できる〔天の北極〕でも大海を渡ることができると思い込んでいる。
〔天の北極〕の高度を緯度に換算する方法の場合、正確に緯度と子午線が測量できない。ゆえに、〔天の北極〕を基準にして大海に入ると直ぐに位置と方角が皆目わからなくなり海原をさまよった揚げ句に命を落として家族が待つ家に帰還することができなかった。
紀元前1世紀に中国では〔天の北極〕を最も重視するシナ天文が完成し、卑弥呼や壱与(いよ)が生存した3世紀になると、魏の使節は大海を往来することができなかった。魏の出張機関は朝鮮半島の一角・帯方郡(たいほうぐん)に所在し、この帯方郡の使節もシナ天文の影響で大海を渡ることができなかった。この事実を、『後漢書』倭伝の末部は「所在絶遠にして往来すべからず」つまり「日本列島は遥か遠くに所在して海の道が絶えており、中国の人々には往来することができない」と記述する。
〔天の北極〕の高度を基準にすると大海を渡ることができなかったが、〔精密に天頂緯度線と子午線を測定できる[玄]のキャッチする方法〕だと大海を渡ることができた秘密は、科学事典や科学の書物にて説明される事実である――この〔緯度の測定〕の秘密については、わがブログ「卑弥呼の逆襲:【用語の解説】」の「6・易」と「7・[玄]のキャッチ」でも解説したので、参考にしていただきたい。
◆“日本列島が南に伸びるなんてことは絶対にありえない”と断定する邪馬台国説の主張にもとづくと、倭においても〔天の北極〕を最も重視する天文学が確立されていたことになる。したがって、魏・帯方郡の使節と同じく倭の使節も大海を渡ることができなかったゆえ、魏と倭は国交を結ぶことができず『魏志倭人伝』は実際にはこの世に絶対に存在してはならない空虚なものとなる。このように、邪馬台国説の主張によると約2000字で構成される『魏志倭人伝』には文字が1字も書かれていない白紙であったことになる。
以上のように、魏・帯方郡の使節を渡ることができなかった大海をどうして倭の使節は往来できたのか、この秘密の一点に絞って考えれば、すべての邪馬台国説は〔空想〕であることが短時間で明確に察知できる。
◆C図に示す朝鮮半島と九州の間に、〔[玄]のキャッチ〕の秘密を伝える「[玄]をキャッチすれば大海を往来できる、陸地から遠くて波の荒い海」と示す「玄海灘」が所在する。
この玄海灘には、D図に示す日本列島の西端となる沖ノ島が浮かぶ。
また、日本列島の東端には、[玄]をキャッチして同緯度(北緯34度15分)と測量できる伊豆諸島の神津島が所在する。
「神津島」という名が“神の島”と示すように、現在にあっても沖ノ島はまさに“神の島”である。沖ノ島は島そのものが御神体である。沖ノ島は『魏志倭人伝』が証言する卑弥呼王朝が制定した聖なる転回日本列島地理の西の基点であったために御神体となった。
C図に示すように、西の沖ノ島は冬に雪が降るが、東の亜熱帯地区の神津島は冬になっても雪が降らない。この気候区の様子は〔西冷東暖〕となる。中国の海岸線地域における華北地方の気候は冷たく、華南地方の気候は暖かい。ゆえに、中国の海岸線地域は〔北冷南暖〕となる。中国の〔北冷〕と日本列島の〔西冷〕が合致し、中国の〔南暖〕と日本列島の〔東暖〕が合致する。したがって、中国の〔北〕は日本列島の〔西〕に合致し、中国の〔南〕は日本列島の〔東〕に合致するので、A図・B図・C図のごとく日本列島地理は現在方位と異なって時計回りに90度転回することになったのである。
『魏志倭人伝』には「その道里を計るに当(まさ)に会稽・東治の東に在るべし」という記述がある。これゆえ、C図に示す転回日本列島地理は合理となるが、B図が明確に示すように実際の日本地理は会稽・東治の東北にあるので矛盾する。
◆沖ノ島は「〔[玄]のキャッチ〕にもとづき転回日本列島地理が制定された」と伝える“神の島”である。沖の島から北九州一帯の海岸を一望すると、卑弥呼王朝が制定した転回日本列島地理の矛盾点が目撃できる。だから、沖ノ島は「お言わず様」と呼ばれて、島で見たことは絶対に口外してはならないと定められ、この掟は今日まで厳重に守られている。
◆E図に示す銅鐸は〔[玄]をキャッチして精密に緯度と子午線を測量する道具〕である。
『新発見! 日本の歴史』8号の「弥生中・後期 青銅器の対立構造」における27頁の上部において「滝峯(たきみね)の谷」と題して――浜松市旧細江町の「滝峯の谷」では突線鈕式銅鐸6点が狭い範囲から近接して出土している――と紹介されて注目される。
この「滝峯の谷」から出土した6点の銅鐸はF図に示す浜松市旧細江町の③悪ヶ谷鐸、④滝峯第1号と第2号鐸、⑤不動平鐸、⑥穴の谷鐸、⑧滝峯才四郎谷鐸の6口である。
F図とG図に示す大鳥の形をした地域が細江町である。左に掲示する2011年7月11日に幻冬舎ルネッサンスから発行された拙著『邪馬台国説が日本を滅ぼす』においては、細江町の大鳥の形をした地上絵を“建比良鳥(たけひらとり)の地上絵”と呼んでいた。というのも、この大鳥の地上絵は『古事記』上巻の天照大御神と須佐之男命の誓約説話末部に「遠江国造(とおとうみのくにのみやつこ)の祖(おや)の建比良鳥命(たけひらとりのみこと)」が作成したと考えられるからである。しかし、2012年2月上旬以来、“「卑弥呼」の地上絵”と名を改めた。
◆「卑弥呼」の地上絵を作成した遠江の豪族・建比良鳥命の名が記載される『古事記』上巻の天照大御神と須佐之男命の誓約説話には、C図の玄海灘に浮かぶ沖ノ島も登場する。そして、この説話において沖ノ島と建比良鳥命は共に〔[玄]のキャッチ〕と直接的に結びつき、邪馬台国畿内説と九州説が“絶対に信用してはならない”と排除した『魏志倭人伝』に記述された転回日本列島地理について語られる。
このように、邪馬台国説によって排除された転回日本列島地理は『古事記』上巻の天照大御神と須佐之男命の誓約説話にも記述される。学者たちは『魏志倭人伝』に記述された転回日本列島地理は「中国人が古くから抱いていた誤った地理観」と断定する。しかし、わが国の先人たちが作成した『古事記』上巻にも転回日本列島地理の記事が存在する。ゆえに、『魏志倭人伝』に記述された転回日本列島地理は中国人が抱いた地理観ではなく、卑弥呼王朝が制定したものであったことになる。だから、現在の日本地図を立論基盤とするすべての邪馬台国説話は〔空想〕であったことになる。
◆「卑弥呼」の地上絵内(細江町内)から、F図に示す7ヵ所の遺跡(地点)から現在まで9口の近畿式・三遠式銅鐸が出土している。これらの銅鐸は、G図に示すちょうど1000万坪の「卑弥呼」の地上絵を作成するときに精密に天頂緯度と子午線を測量するための器具、つまり〔[玄]をキャッチする測量器具〕であった。
私はF図に④とした滝峯第1号鐸の原寸大の模造鐸を、1986年11月に静岡県沼津市の渡辺板金所のご主人・渡辺進一氏に依頼すると翌1987年に完成した。
E図に示すように銅鐸の鐸身(筒)が直角に立つようして舞孔(まいこう)から覗くと、鈕影(ちゅうえい)が細い1本の線(影)と化して見え、この線を両手で鐸身の傾きを操縦しながらゆっくり微調整して最も細くなるようにすると、“渦巻状双耳(そうじ)”という名の部分に刻まれる文様が矢を射当てる的のように同心円形となり、その的の中心点が天頂点とぴったりと重なる仕組みになっている。ゆえに、銅鐸はC図に示す「玄海灘」の[玄]をキャッチして精密に天頂緯度線と子午線を測量できる構造になっている。
G図に示すように、銅鐸で精密に天頂緯度線をキャッチして、都田川河口のA地点(経緯度原点地)と滝峯不動尊の同緯度(北緯34度48分)を測量し、A地点と滝峯不動尊の両地点の子午線より29度傾く線が交わる八幡宮の地点(三角点)が設置された。この「卑弥呼」の地上絵の作成原理は、現在の国土地理院の精密日本列島地図の作製方法と同じである。
このように、卑弥呼の地上絵によって倭では〔天の北極〕は重視されず、〔[玄]のキャッチ〕が倭では栄えて卑弥呼王朝における最も強力な権力基盤であったと解明される。
「卑弥呼」の地上絵は――(1)『魏志倭人伝』の全記事はすべて正しく事実を伝える、(2)沖ノ島と「卑弥呼」の地上絵を作成した建比良鳥命が登場する『古事記』上巻の天照大御神と須佐之男命の誓約説話は歴史的事実を伝える、(3)『日本書紀』崇神天皇紀にある「倭迹迹日百襲姫命(やまとととびももそひめのみこと)を箸墓に葬った」という記事は事実で卑弥呼の墓ではない――と科学的に証明できる史跡である。
だから、畿内説と九州説の両説が〔空想〕であることは、両説を主張する学者はじめ両説を擁護するいかなる組織団体にあっても否定できない事実となる。
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