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2013年9月23日 (月)

日本が滅びる・44

老子の思想「知足」もまた銀河から生まれた

◆中国の孔子と並ぶ2大思想家の老子の教えは、『老子』という書物に記述された。『老子』は紀元前450年ごろに成立したと推定されている。『老子』は第1章~第37章までの「上篇(道経)」と第38章~第81章までの「下編(徳経)」の2巻に分かれる。
 『老子』上篇(道経)は「文字(漢字)は銀河から作られた学芸である秘密」を説くことを目的として著作された。
 前々回(42)のわがブログ「卑弥呼の逆襲:日本が滅びる」にて、『老子』第1章は「文字は銀河から作られた」と説いていることを証明した。
 “老子の思想”といえば[知足(ちそく)]が有名である。
 幾つかの章で「知足」の思想が語られるが、『老子』第33章においては下記のごとく「知足」を説く。
 「人を知る者は智()、自ら知る者は明(めい)。人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強。足()る知る者は富()む。強を行なう者は志あり。その所を失わざる者は久し。死して亡(ほろ)びざる者は寿(いのちなが)し。」
 奥平卓(おくだいら・たかし)・大村益夫訳者『老子・列子』(徳間書店)は、『老子』第33章を下記のごとく訳する。
 ――人を知る者は、せいぜい智者という程度だが、知の限界を知る者は、真に明知の人といえる。人に勝つ者は、せいぜい力があるという程度だが、自己に打ち勝つ者は、真の強者といえる。不満を知らぬ者は、真の富者であり、自己に打ち勝って無為に従う者は、真に意志強固な人である。無為を守って本性を失わぬ者こそ、真に生きながられる者であり、「道」に合致することによって、身を死してもなお未来につながる者こそ、真に生き続ける者である。
 『老子』第33章の文中にある「足るを知る者は富む」の原文は「知足者富」であるので、「知足」と省略される。
 『老子』第33章は「知足」の思想だけを説くものではない。文字は銀河から作られた秘密をも説明し、倉頡(そうきつ)が発明した漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕をも説明する。だから、「知足」の「足」は〔鳥獣の足跡〕の「足」ということになる。

◆今から約5000年前の五帝時代初頭の黄帝に仕えた倉頡は漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕を発明したので、“漢字の始祖”と定められて崇拝された。(前回のわがブログ「卑弥呼の逆襲:日本が滅びる・43」で、漢字作成原理は「鳥獣の文」とも称されることを解説した)
 倉頡は、A図の巨大な「秋の銀河(の西部)と夏の銀河」の全範囲の銀河各部の形状を図案して、A図左上にある小さな「十字の銀河」を「文字を生む母」として考えるならば多数の文字を作る(生む)ことができると提唱した。B図に示すように、「十字の銀河の西側半身」には〔乳房と子宮〕に相当部分があるので子ども生む女体の姿に相似する。これゆえ、『老子』は「十字の銀河」を第1章で「万物の母」、第6章で「玄牝(げんぴん)」、第20章では「食母」と表現した。
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◆倉頡はA図の「銀河全範囲各部の形状から図案したすべての文字は十字の銀河の子宮から生まれる」と定めた。だから、老子は「十字の銀河」を「万物の母」という名で呼んだ。
 ということは「全文字は十字の銀河の子宮から生まれる」とゆえ、漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕の考え方は「一即万物、万物即一」ということになる。
 中国における華厳宗(けごんしゅう)の究極の経典として思想の拠りどころとした大乗仏典の『華厳経』には「一即多、多即多」という考え方が示される。『華厳経』の起源は2世紀ごろの馬鳴(アシュバゴージャ)と龍樹(ナーガルジュナ)にさかのぼるとされ、開祖は杜順(557640)である。『華厳経』の「一即多、多即一」よりはるか以前の紀元前31世紀ころに生存した倉頡は「一即多(万物)、多即一」という考え方をすでに提唱していた。
 現在の分子生物学が扱うDNAの構造には「小さな場に大きな情報が入っている」ということが発見された。ゆえに、DNAの構造原理は「一即多、多即一」ということになる。倉頡は現代の先端科学者のDNAの構造を発見するよりも約5000年前に「一即多、多即一」の原理を倉頡は考案していたことになる。

 
◆C図に示すように、〔女性の生殖器の側身形〕は〔鳥(水鳥)〕の姿に相似する。D図に示す〔ジャコウウシ〕は漢字作成原理を象徴する聖獣となった。というのも、ジャコウウシは天敵のオオカミに襲撃されると、子を真ん中に隠して円陣を組んで守るからである。女性生殖器の大半はE図に示す〔骨盤〕に包囲されて収まっている。ゆえに、〔ジャコウウシの円陣〕は〔女性の骨盤〕に見立てられ、〔円陣の真ん中に隠れる子ども〕は〔子宮に宿る胎児〕に見立てられて、ジャコウウシは漢字作成原理を象徴することになった。『老子』の第1章においては「十字の銀河」を「万物の母」と表現するが、この「万物の母」と同義である第6章の「玄牝」は「牝のジャコウウシ」のことである。そして、B図の「十字の銀河の子宮」の指は〔三本〕であるが、〔人間や獣の足跡〕に類似する。
 これまで説明したように、すべての文字が生まれる子宮となる「十字の銀河の子宮」は「」に、〔女性の骨盤〕は「(ジャコウウシ)の円陣」に、「十字の銀河の子宮」は「人や獣の足跡」に見立てられて、漢字作成原理の名称は「鳥獣の足跡」となった。B図に示すように、すべての銀河が生まれる母体となる「十字の銀河」は[]の字源であったので、漢字作成原理は「鳥獣の文」とも呼ばれたのである。
 『説文解字』は[]の字訓を「万物なり」とし、字源を「牛を大物と為()す」と解説する。「牛を大物と為す」の[]の字源は、D図の「ジャコウウシ」である。〔ジャコウウシ〕は子宮に宿る胎児の命を守るE図の〔女性の骨盤〕に見立てられたので、『説文解字』の[]の「万物なり」という字訓は「一即多(万物)、多即一」をあらわすものとなった。
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◆「文字の学芸における最高の理(考え)」は、F図に示す[]という字であらわされた。ゆえに、[]の字義は「まこと(真理)」となった。この[]の字形は、G図に示す「胎児の頭が周旋(しゅうせん)して誕生する状況」とH図の「天頂点を通過する銀河部位の軌道」の両方を表現するものとなる。
 G図の「産道を胎児の頭が螺旋(らせん)を描くように周旋する状況」は「[]の字の180度の回転+90度の回転」と[]の字の[][]の中間の「90度の隅丸カーブ」で「裏返し」を加えるという定理をあらわした。また、F図の[]の篆文形はH図の天頂点を通過する銀河部位の軌道は「東北45度の地平線から昇り、西北45度の地平線に没するまでの角距離180度+90度の運行」と「西北の地平線に没して地中に潜り、東北の地平線から昇るってくるまでの角距離90度の運行」をあらわした。

◆I図の[]の字源解説図に示すように、[]における[]の字源は「長方形の暗黒天体部」である。「長方形の暗黒天体部」は、C図左図に示した「子宮頸部(子宮口)か膣口(ちつこう)までの産道」をあらわすと定められた。『説文解字』は[]の字源を「人の言食する所以(ゆえん)なり」と解説する。しかし、「ことばを言い、物を食べる口」だけでなく、「産道」も[]の字源であった。わが国の中国古代文字研究の第一人者とされる故・白川静博士が著作した『字統』(平凡社)[]の字源を「祝祷(しゅくとう)の器の形」と解説する。したがって、『字統』は[]の字源を「産道から誕生する子どもを祝い、産道から誕生する子どもを授かる祈祷(きとう)する時に用いる土器」と解説していることになる。
 [()][]を加えると[]となる。
 []の右側の[]の字源はI図とC図に示す「産道」だけに限られる。つまり、[][]の字源銀河は、B図の「産道」がある箇所に相当する「十字の銀河の子宮下部」とI図左図の「長方形の暗黒天体部」ということになる。

[]の左側の[]の字源銀河は、J図に示すように「十字の銀河」である。J図左下の[]の金文は大字形にデザインされるゆえ、[]の字源銀河は大字形の「十字の銀河」であることが察知できる。K図に示すように、[]の契文と金文の字形は倉頡がつかえた「女性の骨盤の中に収まる生殖器を研究した黄帝」を「十字の銀河」の図案であらわす。
 L図の[]の金文形における[]の部分は「鬼の姿に似る銀河から十字の銀河より、さらに東方の銀河部」までを貫く。
 []の「弯弓(わんきゅう)と矢」は、[]の字源と密接に関わる。つまり、[]における[]は「円陣を組んで守るジャコウウシを狩するときに射る矢」をあらわした。D図の〔ジャコウウシ〕はE図の〔女性の骨盤〕に見立てると定められた聖獣であり、E図に示す「骨盤上口」の形は「湾」に相似するので[]の初文[]が作られて、[]の字の弓は〔弯弓〕の形に図案された。だから、「円陣を組んで守るジャコウウシ」をあらわして、[]の字の右側は[]の字となったのである。
 以上のごとく、[][]の字源銀河はJ図の「十字の銀河」であり、L図に示すように「鬼の姿に似る銀河」となった。[][]はB図に示す「十字の銀河の子宮下部の産道に相当する箇所」とI図に示す「長方形の暗黒天体部」となる。
 結局、[]の「知る」という字義は「銀河から作られた文字の学芸の知識を学び、女性生殖器の医学知識をもとに漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕を理解し、[]を基軸とする天文地理学をも習得すること」となる。そして、『老子』の「知足」の[]には、さらに「[]を基軸とする天文地理学の科学をもとに、自然の法則である“無為”を察知すること」という要素も追加される。

◆M図左図は[]の字源銀河解説図である。
 []の上部の冠の[(べん)]の字源はJ図における[]の字源となる「十字の銀河」とB図における[]の字源となる「十字の銀河の子宮」とで構成される。下部の[]の字源はL図における[]の字源となる部分が貫通する「鬼の姿に似る銀河」となる。ゆえに、[]の字源銀河はM図の[]の字源となる「十字の銀河・鬼の姿に似る銀河」と合致する。
 M図の「十字の銀河の子宮」は、五帝時代初頭以来、王朝や帝の富の源となる漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕を示すものとなった。これゆえ、「十字の銀河の子宮」を〔富〕に見立てると、『老子』第33章の文中にある「足るを知る者は富む」における[]は人や獣の足跡に類似すると見立てられた「鳥獣の足跡」と、また「十字の銀河の右足(西側の足)(十字の銀河の妊婦の円いおなかのように見える箇所)となる。
 だから、「十字の銀河の子宮から鬼の横顔に似る銀河の口までの銀河」の形状にもとづき、老子は「足るを知る者は富む」つまり「漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕の知識を養って富が少なくても不満と思わない者は、真の富者である」と説いたのである。
 以上、老子の思想「知足」の語源は「十字の銀河・鬼の姿に似る銀河」であった。

◆H図に示す「天頂点を通過する銀河部位の軌道」は、N図に示す銀河の範囲であらわされた。「鬼の横顔に似る銀河の後頭部に付く目の銀河」は〔天頂点を通過する銀河部位が没する西北の地点〕に、「十字の銀河の子宮」は〔天頂点を通過する銀河部位が昇る地平線の東北の地点〕に見立てられた。そして、「龍頭(りゅうず)の銀河」と記した〔龍の顔に相似する銀河の頭頂部〕は、H図に示した「天頂緯度線・天頂点・子午線」をあらわす[(とう)][]の字形に相似する。ゆえに、「龍頭の銀河の頭頂部」は[][]の字源の〔天頂緯度線・天頂点・子午線〕に見立てられた。
 N図に示すように、[]の契文形は「十字の銀河から龍の顔に似る銀河まで」から図案された。
 また、[玄のキャッチ]は文字の学芸における「最高に尊重された能力」とされ、「徳」と呼ばれた。『説文解字』は[]の字源を「升(のぼ)るなり」と解説する。[]の初文(最初の文字)[]であるゆえ、「升るなり」は「昇るなり」となる。N図に示すように、「十字の銀河の子宮」が〔天頂点を通過する銀河部が昇る箇所となる地平線の東北の地点〕に相当する。M図・N図における「十字の銀河の子宮」は「天頂緯度線・天頂点」をあらわす[]の字源となった。だから、[]の字義は「精密に天頂緯度線と子午線の測量できる能力を修得して真理を知ること。[]をキャッチできる眼力と技(わざ)を修得して真理を知ること」となった。
 N図は天頂点を通過する銀河部位が永遠に大円を描く旅を続ける軌道をあらわす。ゆえに、『老子』第33章の末部は「その所を失わざる者は久し。死して亡びざる者は寿(いのちなが)し」という文をもって、「[]を基軸として組織された文字の学芸を養って自然界の無為を知って本性を失わない者は、銀河の運行のように永遠に生き続ける」と表現したのである。

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