« 日本が滅びる・81 | トップページ | 日本が滅びる・83 »

2014年3月 3日 (月)

日本が滅びる・82

愛、あざやかに永遠であれ(23)・天照大御神と須佐之男命の誓約説話の秘密の解明(2)

 

◆《天照大御神と須佐之男命の誓約》説話では、二神の誓約儀式の様子を下記のごとく記述する。
 「奴那登母々由良邇(ぬなとももゆらに╱この8字は夏音文字)、天(あめ)の真名井(まない)に振り滌(すす)きて、佐賀美邇迦美而(さがみにかみて╱佐より以下の6字は夏音文字)、吹き棄()つる気吹(いぶき)の狭霧(さぎり)に成れる」

先頭の「奴那登母々由良」は「剣と勾玉(まがたま)と天の真名井(狭井川)の岸辺の玉石が触れあって鳴る音をあらわす擬声語」とされる。つまり「奴那登母」は「玉(狭井川の岸辺の玉石)+那()+音」を意味し、「母由良」は「天照大御神が須佐之男命からもらい受けた長剣を三つに折った剣と須佐之男命が天照大御神からもらい受けた長い緒に付けられた多くの勾玉と、狭井川の岸辺の玉石が触れあって鳴る音をあらわす擬声語」とされる。

◆A図に示すように、天照大御神(崇神天皇)と須佐之男命が生存した3世紀後半、天頂に「鳥居」の形をした銀河がめぐってきた。「長方形の暗黒天体部」の北側の銀河は〔鳥の姿〕に相似し、〔鳥が居る肢(あし)〕は「長方形の暗黒天体部」となる。ゆえに、〔鳥が居る肢〕が省略されて「鳥居」となり、「神社の入り口に建つ門=鳥居」の形は「長方形の暗黒天体部と3世紀の頂緯度線の合体形」となった。

B図は、[]の字(字源・字形・原義)をあらわす〔天頂緯度線と子午線〕となる天頂点を通過する銀河部位の軌道図である。
 A図に示す[]すなわち〔天頂緯度線と子午線〕をキャッチした箇所の「長方形の暗黒天体部」が「天の真名井」となった。そして、前回(「日本が滅びる・81)で指摘したように、天照大御神(崇神天皇)と須佐之男命が不戦の誓いを立てた場所の「師木の水垣宮の北側の狭井川」も「天の真名井」に見立てられた。

 Image

 

 C図に示すように、「天の真名井」の[()]の字形は「[]180度+90度の回転」をあらわす。
 C図の「[]が回転する270度」は、B図の「天頂点を通過する銀河部位の東北から昇って西北に没する角距離の270度」に合致する。というのも、B図の右上に示す[][(とう)]の下に[(よう)]が加わる字だからである。[]の字義は「胎児」である。
 D図に示すように、医学は未発達であった3世紀後半、胎児()は狭い子宮頸部(子宮頸管)を通過する時は生きるか死ぬかの審判が下される瀬戸際であった。大海や遠くの地や山や森林で迷った人にとって、B図右上に示した[]をキャッチして緯度(位置)と経度(子午線・方角)を精確に測量して生きているかそれとも[]をキャッチできなくて野垂れ死にするかの瀬戸際となった。胎児()が子宮頸管と軟産道を無欲無心で通過するように、天頂緯度測定する人は無欲無心とれば、[]がキャッチできた。だから、B図の右上に示すように、[]の字は[]の「天頂緯度線」と[子午線(短い縦線)]が合体する[]の下に「無欲無心で産道を通過する胎児」の[]を加える字となった。
 ゆえに、C図の270度回転する[][]の「胎児」をあらわす。
 E図に示すように、子宮に宿って育つ胎児は「180度の回転」をする。
F図に示すように、出産第1期・開口期の胎児は子宮頸部近くではあごを胸につけた姿
勢で胎児の背は母体の左または右にある。出産第2期・娩出(べんしゅつ)期の胎児の頭は母体の背の方を向いて生まれる。出産第1期の胎児の頭と姿勢と出産第2期の頭と姿勢は「90度の転回」、すなわ「[]180度の回転した字を90度横転させた、[]の頭頂部の[]」であらわされた。
 したがって、E図の「180度の回転」とF図の「90度の転回」はC図の[]における「270度の[]の回転」に合致し、またC図の「270度の回転」はB図の「270度の角距離の軌道」に合致する。ゆえに、C図の[]の字源はB図の「天頂点を通過する銀河部位の軌道」と、E図とF図に示した「子宮で育つ胎児()が産道を通過して誕生するまで」をあらわす。

◆C図の[]の頭頂部の[]の下部は、[][90度のカーブ]である。つまり[]は頭部の[]と足部の[]からなり、[][]の中間に[90度のカーブ]が合体する。
 この[][90度のカーブ]の合体部分は、F図の出産第1期と第2期までの胎児の様子をあらわす。だから、[]の篆文形はF図の上下図をあらわす図案となった。
 []の字形の頭頂部[]の下に配する[貝・90度のカーブ]の合体形は、下記の胎児の様子をあらわす図案である。

――F図の上図の出産第1期において、子宮頸部に児頭(胎児の頭)が近づいて子宮口がすっかり開く全開大になると、胎児はあごを胸につけた姿勢で胎児の背は母体の左または右にある。子宮頸管を通過する時の児頭は斜め後ろ(母体の背側)に顔を向け、出口では顔をすっかり後方に向ける姿勢となる。出産第1期の終わりには、胎児はほぼこの状態になる。Fの下図に示す出産第2期の始まりは、母体に次々と強い陣痛がおこり、ついに胎胞(たいほう)がやぶれる。骨盤の出口に近い児頭は母体の直腸を圧迫するので大きな声をあげていきみ・気張る怒責(どせき╱この「怒責」が[][][]の字源となる)がおこり、腹圧が加えられる。陣痛と腹圧との力で児頭はますます押し下げられ、ついに陣痛発作の時には膣の入口から児頭が見えるようになる。しかし陣痛が止むと引っ込んでしまう「排臨(はいりん)」の時期となる。さらに進んで児頭の最も大きな部分が膣入口を通過しようとする時、児頭はふたたび母体の左または右に向いて、肩が母体の腹側にあるほうから先に、ついで母体の背側にある肩が出ると、胎児は誕生する。

前述したように、F図の出産第1期と出産第2期の様子は、C図の[][](90度の転回)とその下の[貝・90度のカーブ]の合体部となった。だから、C図の右側に図示したE図の[(胎児)180度の転回]は、[]の篆文形では省略されて表現されていない。
 C図の[]における[]は「子宮と産道の仕組み」をあらわすゆえ、前回(「日本が滅びる・81)で紹介したように、白川静著『字統』は開化天皇の遺言の「多賀」の[]の字源を「加は耜(すき╱力)を祓(はら)い清めて、その生産力を高めるための儀礼。貝も生産力を高め、魂振(たまふ)り的な呪能をもつとされるもので、両者を併せて、生子儀礼と農耕儀礼に用いる字である」と解説した。C図の[]のうちの[]はE図・F図に示す「胎児が怒責・陣痛・腹圧によって子宮頸管を通過し、臍(へそ)の緒も首に巻きつかずに神秘的な力によって無事に誕生する状況」をあらわしたゆえ、上記した『字統』の「貝も生産力を高め、魂振り的な呪能をもつとされる」という解説になった。

Image_2

◆G図の[]の金文形は、[]の上部の[(いつ)]を「十字の銀河」から図案した。ゆえに「十字の銀河」は〔文字を書く聿()〕に見立てられた。[]の下部の[]は「長方形の暗黒天体部」からデザインされた。ゆえに、「長方形の暗黒天体部」は〔文字を書く平面〕に見立てられた。
 わがブログ「卑弥呼の逆襲【用語の解説】」における「4・倉頡が死刑と定めた3つの掟」に記載したように――3番目の掟すなわち書いた文字が用済みになったならば、文字を直ちに消さない者または消し忘れた者は神罰が下って即刻死刑に処せられた。ゆえに、夏音文字は〔直ぐに消すことができる柔らかい地面や砂や灰などの表面〕に書かれていた。したがって、夏音文字においては金文の[]の下部の[]の字源となる「長方形の暗黒天体部」が〔夏音文字を書いた地面・砂・灰などの表面〕に見立てられた。
 書いた夏音文字は用済みになると消されたが、文字であらわされた地名や万物の名は消えずに残った。だから、「長方形の暗黒天体部」は「天の真名井」の[]の字をあらわすことになった。というのも「長方形の暗黒天体部」はG図に示す〔夏音文字を書いた地面・砂・灰などの表面〕に見立てられた。ゆえに、「長方形の暗黒天体部」は「消えずに残った地名や万物の名」すなわち「名」をあらわすことになった。
◆H図に示すように、「長方形の暗黒天体部」が「天の真名井」の[]の字源となった。「激流の銀河」は〔井戸水となる地下水〕に、「長方形の暗黒天体部」は〔井戸の地中に入った胴筒(どうつつ)の円い部分〕に見立てられた。そして、「激流の銀河」が隣接する「長方形の暗黒天体部の北側」は〔井戸筒の地上に上部を方形に木組みした井桁(いけた)〕に見立てられて、[]の字形となった。だから、「長方形の暗黒天体部」は[]の字源となった。
 以上のごとく、A図に示す崇神天皇と須佐之男命が生存した3世紀後半において天頂にめぐってきた「長方形の暗黒天体部」が「天の真名井」であった。
 また、I図に示す――天照大御神(崇神天皇)と須佐之男命が不戦の誓約をおこなった師木の水垣宮の北側の「狭井川」も「天の真名井」であったことになる。
◆J図の右下に配する[]の字義は「みぎ()」であり、字音は[]と同じ「ユウ」である。[]の金文形の「渦巻き」は〔渦巻き〕に観える「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」をあらわす図案である。ゆえに、[]の字源銀河は「鬼の姿に似る銀河と北アメリカ星雲・ペリカン星雲」である。だから、「鬼の姿に似る銀河」は〔右手〕に見立てられて[]となり、G図の[]における「長方形の暗黒天体部」の[]が加わった。ゆえに、[]の下に[]が加わる[]の字(字源・字形・字義)が成立した。

K図に示すように、「十字の銀河」は〔左手〕に見立てられて[]となり、「十字の銀河の身体部中央よりやや左寄りにある暗黒天体部」が[]の字源となり、[]の下に[]が加わる[]の字(字源・字形・字義)が成立した。

L図に示すように、[]の字源となった「十字の銀河」は[]の字源でもあった。『説文解字』は[]の字源を「至高にして上なし」と解説して、B図に示した最も高くてそれ以上の上が無い「天頂緯度線」となる。[]の頭頂部の[]は「天頂緯度線」、そして[]の下の[]は大字形の「十字の銀河」をあらわす。ゆえに、[]の下に[]を加えて[]の楷書形が形成された。
◆天照大御神(崇神天皇)と須佐之男命の不戦の誓約儀式は6字の夏音文字「佐賀美邇迦美(さがみにかみ)」であらわされる。

K図に示したように「十字の銀河」は[]の字源となった。また、[十字の銀河]は〔人の姿〕に相似するので[]の字源となった。[][]を加えると[]の字となる。だから、H図に示したように「十字の銀河」は[]の字をあらわした。A図に示したように、3世紀後半においては「長方形の暗黒天体部」が天頂を通過した。紀元前3世紀ころから次第に「十字の銀河」は中国北部地域の天頂を通過しなくなり「鬼の姿に似る銀河」や「長方形の暗黒天体部」が中国全域の天頂をめぐってきたので、「十字の銀河」から作られた[]の字義は「たすける。そえる」となった。
 上記した白川静著『字統』が解説したところの[]の字源となる銀河は、H図に「賀」と記した「十字の銀河の子宮」である。
 H図に「美(美しい聖水)」と記した銀河が、[]の字源となる。というのも「長方形の暗黒天体部」の東隣の「激流の銀河」は〔洪水〕をあらわして、三皇五帝時代では洪水で堅い地面が泥のように柔らかくなって原始的な農具でも耕作できたゆえ、〔洪水〕は喜ばれた。しかし、農具が次第に発達すると多数の人が死ぬ洪水は嫌われるようになった。そして、「美(美しい聖水)」と記した銀河は[]の字源となり、「慈雨(ほどよくうるおいをもたらす雨)」をあらわした。また「美(美しい聖水)」と記した銀河は[]の字源であり、[]の字源にもなった。ゆえに、「美(美しい聖水)」と記した銀河は「洪水を心配せずに安らかに生活できる、豊かな農作物を収穫するために田畑に水を引くことができる河川」をあらわした。

 したがって、I図に示した〔狭井川〕は「洪水を心配せずに安らかに生活できる、豊かな農作物を手に入れる河川」ということになり、「狭井川」は「天の安河」となった。
 ゆえに、H図に示すように「美(美しい聖水)」と記した銀河は「真の天の安河」となり、「激流の銀河」は「偽の天の安河」となる。

M図に示すように、「激流の銀河」は[]の字(字源・字形・原義)となった。[][]を加えると[]の字となる。ゆえに、「激流の銀河」は[(いつわり)]の字源となった。ゆえに、「激流の銀河」は「偽の天の安河」をあらわした。

夏音文字「佐賀美邇」の次の「迦美(かみ)」は、「噛み」と解釈される。N図に示すように、「長方形の暗黒天体部」は[]の字源であり、[]の字源でもある。[][]が加わると[]の字となる。
6字の夏音文字「佐賀美邇迦美」の次の文は「吹き棄()つる気吹(きぶき)の狭霧(さぎり)」である。
 H図に「美(美しい聖水)」・「真の天の安河」と記した銀河が「吹き棄つる気吹の狭霧」をあらわす。「上唇と下唇の間を狭くして、口にふくんだ水を霧のようにこまかくして、空気中にとばす行為」を「霧を吹く」と言う。ゆえに、「美(美しい聖水)」・「真の天の安河」と記した銀河の形状は「霧を吹く」すなわち「吹き棄つる気吹の狭霧」をあらわす。

以上のごとく、天照大御神(崇神天皇)と須佐之男命の不戦の誓約儀式は「狭井川の聖水を口にふくんで霧を吹き、慈雨を降らす天の神に向かって偽りを述べず、胸の奥に秘める真実を述べる」とあらわすものであったことになる。

◆今から約5000年前の五帝時代初頭の黄帝につかえた史官(記録官)の倉頡(そうきつ)は“漢字の始祖”と尊敬された。黄帝は東洋最古の医学書『内経』を作ったと伝えられる。黄帝は神秘的な営みである人の生命の秘密を解明するために女性の生殖器と胎児の研究をおこない、この研究成果を『内経』に絵であらわした。当時、黄帝の医学研究にあらわす文字は存在しなかった。
 五帝時代以前の三皇時代、易に用いる図書の結縄(けつじょう)が存在した。『説文解字』は[]の字源を「蜥易(せきえき)なり」すなわち「トカゲなり」と解説する。『原色現代科学大事典 5――動物Ⅱ』(学習研究社)はトカゲの習性について「かならずもとのすみかにもどるという帰家性がある」と指摘する。つまり、[]は「大海や遠い地に旅した人や山や森で迷った人々が、トカゲのごとく、家族が待つ家に帰ることができる術」であった。
 だから、B図に示す「[]をキャッチする呪力(眼力と技術)」が[]の字源となる。

黄帝が作った『内経』は、三皇時代の易に用いる図書・結縄であらわすことができなかった。この文字の発明は、記録官の倉頡の役目となった。そこで、倉頡は天頂にめぐってきた〔乳房・子宮に相当する部分がある、妊婦の姿〕に相似する「十字の銀河」を注目した。そして、倉頡はわがブログ「日本が滅びる・8」に掲載した「秋の銀河と夏の銀河」の範囲内の各部から文字を作ると定め、様々な事物と「秋の銀河と夏の銀河の各部の形状」が類似するように図案した図書を「十字の銀河の子宮」から生まれるようにすれば――万物の情(イメージ)に類似する多数の文字を作ることができるという漢字作成原理〔鳥獣の足跡(「鳥獣の文」ともいう)〕を発明した。
 ゆえに、倉頡が発明した漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕は三皇時代の「易」の「[]のキャッチ」と黄帝が研究した「女性の生殖器と胎児」を基軸として成立することになった。
 だから、天照大御神(崇神天皇)と須佐之男命の不戦の誓約儀式に用いられる文字と語を解釈するには、これまで解説したように「[]のキャッチ」という天文地理学の知識と「女性の生殖器と胎児」の医学知識が不可欠となった。いいかえると、倉頡が生存した時代から約950年後の夏代初頭に日本列島に伝来した夏音文字の学芸の基軸は「[]のキャッチ」の科学知識と「女性の生殖器と胎児」の医学知識であったことになる。

|

« 日本が滅びる・81 | トップページ | 日本が滅びる・83 »

学問・資格」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

卑弥呼」カテゴリの記事

邪馬台国」カテゴリの記事

歴史」カテゴリの記事

漢字の起源」カテゴリの記事

ヒエログリフ(聖刻文字)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本が滅びる・82:

« 日本が滅びる・81 | トップページ | 日本が滅びる・83 »