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2015年5月23日 (土)

古代エジプト文字の字源・4

 ヒエログリフ[]の字源解説・Ⅰ

◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」の1回~3回までに指摘したように、漢字と古代エジプト文字=ヒエログリフは、下に掲載する写真の銀河の各部の形状から作成された。

Ginga_hanten

この銀河の〔右側は東・左側は西〕となる。しかし、ヒエログリフの字形は、さらに下に示す〔右西・左東〕の形式に則ることもある。

Ginga


 (注、漢字は下に示す〔右西・左東〕を原則として統一されているので、ヒエログリフのように多数の〔右東・左西〕の形となる字は存在しない。漢字の場合、あくまで〔右西・左東〕の字形を原則にし、この〔右西・左東〕の形式と比較すると〔右東・左西〕となって逆向きとなるものもあるが、この二つの文字の字源銀河は同じものではなく、各々の字源銀河において〔右西・左東〕の原則にしたがってデザインされていることが原因でとなる。また、逆向きにしたほうが合理になる場合のときに〔右東・左西〕に図案された。ゆえに、〔右東・左西〕の字形は少ない)
 わがブログでは上記の〔右東・左西〕と〔右西・左東〕の2種類の文字作成銀河の形式は、ほぼ毎回のように必要とする。その度に文字作成銀河を掲載するのは非能率であるので、次回からは必要になった時には「古代エジプト文字の字源・4の冒頭を参照」という注をもって手間をはぶくことにします。
 
 文字作成銀河の各部には、世界中探しても名称が存在しない。ゆえに、私はA図のごとく銀河各部の名称を定めた。

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(C) 2015 OHKAWA


◆B図は「魂」を意味する〈バー〉を構成する文字として用いられるヒエログリフである。
 C図に示すように、「魂」を意味する〈バー〉は香炉の横にクラハシコウの絵が加わって成立する。ゆえに、先ず今回のブログにおいては、“クラハシコウ”と呼ばれるアフリカ産の大きなコウノトリを図案したB図のヒエログリフの字源銀河について解明する。

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(C) 2015 OHKAWA


 C図の「クラハシコウ」に「香炉」を加えるヒエログリフの字源解説は、次回(5)ではなく6回にておこなう。
 クラハシコウの図案がどうして「魂」を意味することになったのか、この秘密は現在においてよくわかっていない。というのも、字形・字義を成立させる字源が存在する事実がまったく解明されていないからである。
 D図の右上に、夜間に砂漠を往来する古代エジプトの旅人が1分の緯度の差も精密に測定できて迷わずに命をまもることができた方法の「[]のキャッチ」を示した。「[]をキャッチすることが出来る眼力と技(わざ)」は、原始のときから大脳辺縁系に分担されて本能行為としてそなわっていた。

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(C) 2015 OHKAWA

エジプトの中央を南から北へ、ナイルの大河が流れる。ナイル川の東にはアラビア砂漠、西にはリビア砂漠、南にはヌビア砂漠がある。だから、砂漠を旅しても命を失わない方法の「[]のキャッチ」を基本にして思考すればヒエログリフの字源は容易に解明できる。
 エジプトの先史時代の美術にはクラハシコウの姿を多数描く作品がある。しかし、有史時代の美術からその姿は消えたが、ヒエログリフとしては用いられた。現在、クラハシコウはエジプトの南のスーダンの白ナイル川一帯の湿地に生息している。

◆アンドルー・ロビンソン著╱片山陽子訳『文字の起源と歴史』(創元社)は「紀元前3100年頃、ちょうどエジプト第一王朝が始まる少し前、突然、ほとんど完成された形で出現したようにみえる。ただしその図案や記号の多くは前王朝期、すなわち王朝が始まる何世紀も前からあったことがわかっている。土器、武器、お守り、装身具や道具などについているからだ。そういう図案には、王朝期のヒエログリフとひじょうに似ているものも、まったく同じものもある。地形(土地、村、山など)や自然(星、月、地球など)からとったもの、部族や神を鳥や獣などで象徴的に表した旗印的なもの、また概念のシンボル(例えば、鍬(くわ)の絵や魂や心を表す)もある。」と記述する。
 ヒエログリフは、先史時代(前王朝期)のD図の〔[]のキャッチ〕の基に生まれた、文字作成銀河の各部の形状を表現する美術作品を、さらに天文地理学・医学の知識を加えて合理性(真実)が求められて作られた優れたデザイン作品であったのである。

◆E図に示す「歳差(さいさ)」と呼ばれる天文現象がある。天の北極と春分点の位置は、黄道の北極(E図中央の+印)を中心にして25,800年で一周する。これを「歳差」という。
 E図の右上に記した「10度」は、F図の「卑弥呼」の地上絵が作成された260290年ころの北極星(こぐま座β星)が真っ暗な目印のない天の北極から約10(600)も離れていたことを示す。

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(C) 2015 OHKAWA

 ゆえに当時の北極星では、260290年ころに図化されたF図に示す「卑弥呼」の地上絵を作成することはできない。F図の「卑弥呼」の地上絵は、前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・3」で詳細に解説した現在の静岡県浜松市北区細江町の行政区域を表示する地図の形として残っている地宜(ちぎ)遺跡である。
 F図上図の横幅を1割拡大したF図下図が示すように、経緯度原点のA地点は北緯3448分、「卑弥呼」の地上絵の南限は北緯3446.6分である。経緯度原点のA地点と滝峯(たきみね)不動尊は同緯度であるから、1分の誤差もなく測量できたことになる。経緯度原点のA地点と「卑弥呼」の地上絵の南限までのわずか1.4分の南北の間に、境界線となる曲線で鳥の翼と頭の形をあらわすので、「卑弥呼」の地上絵は1分の緯度の誤差を測定できたことが証明される。
 また、F図上図が示すように、A地点と滝峯不動尊において精密の子午線を測量できたことを示して南北の経度線から29度傾く線の交点は、引佐(いなさ)町八幡宮となる。D図右上に示すように、[]の上部の[(とう)]は「天頂緯度線と天頂点の真北(あるいは真南)にある目星(銀河部位や恒星など)90度・直角になるように1分の誤差もなく測定できた。
 これゆえ、F図の「卑弥呼」の地上絵はD図の「[]のキャッチ」を用いて図化されたことになる。E図に示すように、当時の北極星は天の北極を中心にして約10(600)の半径となる円を描くものであったゆえ、緯度の最大誤差は約20(1200)となるので、北極星の高度を緯度に換算する方法では絶対に「卑弥呼」の地上絵を作成することができない。現在の北極星(こぐま座α星)は天の北極を中心にして0.73度の半径となる円を描くゆえ、緯度の最大誤差は1.46(88分╱満月の3個分ほどの大きさ)となる。E図に示すように、最も天の北極に近付く北極星は、紀元前2790年のりゅう座α星である。この北極星でも、緯度の最大の誤差は満月1個分の0.5(30)以下にはならない。
 D図の1分の緯度の差を測定できる[]をキャッチする方法ならば、「卑弥呼」の地上絵は作成できた。しかし、「卑弥呼」の地上絵は最も天の北極に接近する紀元前2790年のりゅう座α星の高度を緯度に換算する方法をもってしても絶対に作成することができない。ましてや、天の北極を中心にして約20(1200)の円を描く当時の北極星では、1分の緯度差を求められる「卑弥呼」の地上絵の経緯度原点を絶対に設定することができない。だから、「卑弥呼」の地上絵はD図に示す1分の緯度の差を測定できる「[]をキャッチする方法」で作成したと断定することができる。
 前述したように、ヒエログリフは砂漠を旅行するときに1分の緯度の誤差を精密に測定できる、つまりF図で科学的に証明されるD図の「[]をキャッチする眼力と技(わざ)」を基軸にして天文地理学・医学の知識も加わって考案されたデザイン作品の優れ物であったのである。

◆上記したように、アンドルー・ロビンソン著╱片山陽子訳『文字の起源と歴史』は「ヒエログリフは紀元前3100年頃、ちょうどエジプト第1王朝が始まる少し前、突然、ほとんど完成した形で出現したようにみえる」と指摘する。
 第1王朝の首都はメンフィスであり、クフ王・カフラー王・メンカウラー王の三大ピラミッドはギザに所在する。メンフィスは北緯2959分、ギザは北緯3001分である。
 G図に、メンフィスとギザの中間緯度の北緯30度の天頂緯度線が文字作成銀河を貫通した様子をあらわした。G図における(1)は紀元前4000(6000年前╱先史時代)(2)は紀元前3000(ヒエログリフが最初に出現した時代)(3)は紀元前2000(11王朝時代)における歳差にもとづく北緯30度の天頂緯度線の様子を示している。

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(C) 2015 OHKAWA


 H図に示す〔クラハシコウの目〕に相当する「わし座α星」は漢名「牽牛星(けんぎゅうせい)」、和名は「彦星(ひこぼし)」である。〔クラハシコウの首〕のあたりに〔牛(牽牛)の顔に似る銀河〕がある。

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(C) 2015 OHKAWA


 わし座α星は、紀元前4000年~紀元前2000年においては+赤緯(プラスせいき)10度~8度に位置したので、北緯10度~北緯8度の土地の天頂にめぐってきた。クラハシコウが生息する白ナイル川の源流は北緯8度であり、白ナイル川の源流とジェベル川が結ばれるスッド湿地となる。ゆえに、〔わし座α星が天頂にめぐってきた白ナイル川の源流のスッド湿地〕はヒエログリフの「クラハシコウの目」に見立てられたことになる。H図の「激流の銀河」は〔ナイル川〕に見立てられた。ゆえに、H図に示すように、「わし座α星から激流の銀河」までがヒエログリフ「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅰであったことになる。

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(C)2015 OHKAWA


 B図に示したヒエログリフを、I図左図に示した。I図左図の「クラハシコウ」の胸につく図案を、これより「肉垂(にくだれ)」と呼ぶことにする。この「肉垂」に相当する部分は、クラハシコウの胸の羽の奥にくぼんで隠れる。ゆえに、クラハシコウの側身形はI図の右図のごとくなる。ゆえに、H図の字源銀河には「肉垂」に相当する印象深い銀河部が無くても良いことになる。

◆静岡県掛川市の花鳥園には、クラハシコウが飼育されている。インターネット「掛川花鳥園公式ブログ」はクラハシコウの生態について、写真付きで「普段はこんなふうに足を関節のところで半分に折って、休んでいることもあります。私たち人間とは足の折れ方が逆なので、何かとっても違和感があります」と指摘する。
 J図は、その写真をもとにイラストにしたものです。

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(C) 2015 OHKAWA


 またインターネット「掛川花鳥園公式ブログ」には、K図のイラストにした肉垂が撮影される写真も掲載する。この写真には「胸の赤い部分が気になりますが、これはオスもメスもこうなっていて、どうやら卵を温める部分とのことです」という説明が添えられる。
 宮崎市のフェニックス動物園のクラハシコウ担当の福地善信(よしのぶ)さんのブログにおいても「胸の羽が生えていないところは、卵を温めるところ」と指摘する。
 インターネット「掛川花鳥園公式ブログ」とフェニックス動物園の福地氏は――くちばしの付け根にある黄色い部分が、馬の鞍(くら)に似ているために「クラ」。くちばしの端(はし)に鞍に似る部分があるので「ハシ」となり、クラハシコウはアフリカ産のコウノトリであるので、「クラハシコウ」となった――と名前の由来を説明する。
 H図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅰにおける胸の部分に隣接する「人の横顔に酷似する銀河」はG図に示したように天頂緯度線に近い。このため、「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅰは北緯2959分のメンフィスよりはるか南にあるクラハシコウの生息地の北緯8度の白ナイル川の源流・スッド湿地をあらわすイメージとしてインパクトが弱い。

 L図に示すように、「夏の銀河の最南部」にはJ図の「クラハシコウの姿に似る銀河」があり、「銀河の中心方向」の隣には(1)「赤い〔肉垂〕に相当する銀河」が存在する。またA図に示すように「夏の銀河の西南部」はG図の「メンフィスの天頂緯度線が貫通する銀河」よりはるか南にあるゆえ(2)〔クラハシコウの生息地の白ナイル川一帯のスッド湿地のイメージ〕となる。さらに、L図に示したように(3)「クラハシコウの姿に似る銀河のくちばしの付け根の部分」は名の由来となった「馬に乗る鞍の形」に相似する。
 

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 M図は、L図の「夏の銀河の西南部」の2015115日発行の科学雑誌『ニュートン別冊』〔銀河系 全図〕(ニュートンプレス)に掲載されたカラー写真である。クラハシコウの肉垂とくちばしの先端部は「肉垂の銀河」や「胎児の姿に似る銀河」のごとく赤く金色に輝く。
 N図に示す「十字の銀河の頭部中央の暗黒部天体部」の形は、K図に示した〔クラハシコウの胸の羽の奥に隠れる赤い肉垂の形〕に酷似する。「激流の銀河」と「長方形の暗黒天体部」は〔スッド湿地〕と〔ナイル川〕のイメージとなる。「十字の銀河と鬼の姿に似る銀河の背景となる銀河」は、「広げて飛ぶ大きな鳥の両翼」に観える。クラハシコウは翼を広げると2.4メートル~2.7メートルにもなり、飛ぶ姿は雄大で優美である。
 ゆえに、N図の銀河範囲は「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲであったことになる。

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 「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲは、O図に示すように漢字[]の字源銀河となった。
 N図における「十字の銀河の子宮」は、P図に示すように漢字[(すい)](小鳥)の字源となった。N図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲにおける「十字の銀河の頭部中央の暗黒天体部」は〔卵を温める部分(肉垂)の形〕に相似する。したがって、漢字の[]の字源となった「十字の銀河の子宮」は〔クラハシコウが温めて卵から孵化(ふか)したヒナ〕に見立てられたにちがいない。

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(C) 2015 OHKAWA


 そして、Q図に示すように「女性の生殖器の側身形」は〔クラハシコウの側身形〕に相似する。「女性の生殖器」は、ヒエログリフの字源の秘密を解明する重大知識となる。
 
 また、L図に示した「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅱにおける「クラハシコウの姿に似る銀河」の隣は「胎児の姿に似る銀河」である。これゆえ、N図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲにおける「十字の銀河の子宮」は〔胎児を生む女性生殖器〕に見立てられて、「クラハシコウ」の〈バー〉は古代エジプト人の「魂」すなわち「胎児が女性生殖器から誕生するように神や死者の命が消えずによみがえる呪力(じゅりょく)」をあらわすことになったと考えられる。

◆マリア・カルメラ・ベトロ著╱南條郁子訳『[図説]ヒエログリフ事典』(創元社)は「魂」〈バー〉について「カーと同じく、神にも人にもそなわっている人格の一側面をあらわす。神の場合は霊力のようなものをあらわし、さまざまな方法で顕現(けんげん)できる(たとえばメンフィスの聖牛アピスはプタハ神のバーであるといわれる)。人間の場合は肉体的および精神的活力を擬人化したような存在で、その人の死後、しかるべき儀式を行えば、現世とは別のかたちで来世を生きると考えられた。」と説明する。
 ゆえに、Q図の命(胎児)を生む女性生殖器の側身形に類似するように図案された3羽の「クラハシコウの側身形」をあらわす字源銀河――すなわち(1)H図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅰ、(2)L図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅱ、(3)N図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲ――から、R図に示す3羽のクラハシコウをならべて組み合わせる文字〈バーウ〉が作られた。


17_3



 
 L図には「肉垂に相当する銀河部」があるので、R図の右端はA図右下の「夏の銀河の西南部」(L図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅱ)の図案をあらわしていることになる。
 R図の中央は、A図中央の「夏の銀河の東北部」(H図の〔わし座α星〕を〔目〕とする「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅰ)からの図案をあらわしている。
 R図の左端は、A図左上の「秋の銀河」(N図「十字の銀河」が「クラハシコウの頭部・首・胸」となる「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲ)を図案するものとなる。
 以上のごとく、R図となった3ヵ所の「クラハシコウ」の字源銀河を解明した。
 R図の3羽のクラハシコウの組み合わせ文字は「力強さ」と「神の顕現(けんげん)の総体」を意味する。次回は、この秘密を解明する。

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