古代エジプト文字の字源・5
●ヒエログリフ「魂」の字源解説・Ⅱ
◆前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・4」で指摘し、証明したように――古代エジプト文字=ヒエログリフは、私が「文字作成銀河」と呼ぶ銀河から作られた。
「文字作成銀河」の写真は、前回のブログの冒頭に掲載したので参照していただきたい。この写真は、わが国の天体写真家の第一人者とされる藤井旭(あきら)氏が撮影なされた。
世界中さがしても、文字作成銀河の各部の名称は存在しない。
それゆえ私は〔文字作成銀河の各部の名称〕を、A図のごとく定めた。
(C) 2015 OHKAWA
A図の右端に示す「秋の銀河」は通称で、「秋の星座が漬かる銀河」のことである。通称「夏の銀河」(夏の星座が漬かる銀河)を、私は「東北部」と「西南部」に分けた。この「夏の銀河の東北部」と「夏の銀河の西南部」という名称は、便宜上のものである。というのも、「夏の銀河の西南部」は地平線(水平線)の東南から昇り、西南に没するからである。ゆえに、この銀河部が昇る時には、「夏の銀河の東南部」ということになる。
しかし、A図に「文字作成銀河」において「夏の銀河の東北部」に連結する西南にある銀河部を「夏の銀河の東南部」と定めると、字源を解説する文が混乱・複雑となって非常に不便となる。だから、「夏の銀河の西南部」という名称は、A図の「文字作成銀河」において漢字とヒエログリフの字源を解説し証明する文を理解しやすくするための都合で定めた名称である。
今回は前回のブログで約束したように、B図に示す「3羽を組み合わせたクラハシコウ」のヒエログリフの字義の秘密を解明する。
(C) 2015 OHKAWA
B図の「3羽を組み合わせたクラハシコウ」のヒエログリフは「力強さ」と「神の顕現(けんげん)の総体」を意味する。
◆「クラハシコウ」はアフリカ産の体長が140センチ~150センチほどの大型のコウノトリである。
C図に示すように、この鳥のくちばしの付け根にある黄色い部分は馬の鞍(くら)に似ているゆえ「クラ」。「クラ」がクチバシの「端(ハシ)」にあるコウノトリということで「クラハシコウ」と名づけられた。
(C) 2015 OHKAWA
D図に示すように、クラハシコウの胸には羽が無く凹(へこん)で赤い部分がある。この赤い部分で、卵を温める。古代エジプトの神々は、鳥の頭に人体が合体するものが多数存在する。ゆえに、D図の〔クラハシコウの胸〕を〔ヒトの胸・心臓・心〕に見立てて、「胸の奥でわきあがる赤い炎(ほむら)のように燃える思いや心や誇り」あるいは「心臓が動いて生きようとする命の炎(ほむら)」を連想し、このイメージ(心像╱心に浮かぶ像)の基に「魂」という概念が確立されることになったにちがいない。
日本語は「制作に魂をこめる」、「刀は武士の魂」、「魂を入れかえる」、「命が絶える。死ぬ」ことを古語では「魂尽(つ)く」という。
これゆえ、日本語とヒエログリフの「魂」はほぼ同義であると考えられる。
◆前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・4」で解説した、(1)E図の「クラハシコウ」の字源・Ⅰと(2)F図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅱは上が南・下が北となる〔上南下北図〕である。
(C) 2015 OHKAWA
この2ヵ所の字源銀河に対して、(3)G図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲは上が北・下が南の〔上北下南図〕であるので形式が異なる。
(C)2015 OHKAWA
(3)G図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲを180度転回して(1)E図と(2)F図の〔上南下北図〕と同一形式にしたものを、H図に示す「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅳとする。
F図における「クラハシコウ」の字源銀河の西隣の「胎児の姿に似る銀河」は、I図に示すように〔暴れる雄牛の姿〕に観える。
(C)2015 OHKAWA
J図に示すように、「牛」のヒエログリフには「暴れる雄牛」と「おとなしい雄牛」の2種類がある。
(C)2015 OHKAWA
リチャード・H・ウィルキンソン著╱伊藤はるみ訳『図解古代エジプトシンボル事典』(原書房)は、下記のごとく指摘する。
――エジプトの文書では、雄牛を表わすヒエログリフは常に二つ――おとなしい雄牛と暴れる雄牛――であった。普通の、おとなしい状態の雄牛は頭をまっすぐに立てており、太陽をはじめいろいろな天体と結びつけられていた。雄牛は力が強いことから宇宙と結びつけられ、『ピラミッド・テキスト』にはラーの雄牛として登場している。(中略)。
雄牛は強い生殖力をもつために、その姿が原初の水やナイル川の氾濫を象徴することもあり、豊穣のイメージも重要な一面となっていた。エジプトの王も雄牛と同一視され、新王国時代には、多くの王に「強き雄牛」とか「ホルスの雄牛」といった形容辞が与えられていた。
◆上記したG図の〔上北下南図〕の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲにおける「激流の銀河」には、〔雄牛の角(つの)〕に相似する部分がある。しかし、「激流の銀河」はクラハシコウの脚と重なって陰にかくれ、しかも牛の角が小さくなって目立たないゆえ〔暴れる雄牛〕のイメージが顕著(けんちょ)ではない。
しかし、H図の〔上南下北図〕の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅳでは、「激流の銀河」にある〔雄牛の角〕が大きくなるので、〔暴れる雄牛の角〕のイメージが明確となる。
K図に示すように、「激流の銀河」は〔ナイル川の氾濫〕のごとくに観える。上掲した『図解古代エジプトシンボル事典』が「雄牛の姿はナイル川の氾濫を象徴することもある」と指摘する。だから、「氾濫するナイル川」に見立てられる「激流の銀河」が拡大されるH図は「暴れる雄牛」のイメージが明確となる。
(C) 2015 OHKAWA
(1)E図における「牛(牽牛)の大きな顔」がある銀河部と、(2)F図・I図に示す「夏の銀河の西南部」における「暴れる雄牛」の字源銀河部と、(3)H図上部にある「激流の銀河」の形状が示す〔ナイル川の氾濫〕から「暴れる雄牛」が連想される。
この「3か所の雄牛」をあらわす字源銀河は、B図の「3羽を組み合わせたクラハシコウ」の字源銀河と同一となる。
だから、B図の「3羽を組み合わせたクラハシコウ」のヒエログリフは「3ヵ所の雄牛」のイメージによって「力強さ」を意味することになった。また、I図における「クラハシコウの両脚」と「暴れる雄牛の角」に相当する銀河部が重なるゆえ「力強さ」を意味することになり、上記した『図解古代エジプトシンボル事典』が――エジプトの王も雄牛と同一視され、新王国時代には、多くの王に「強き雄牛」とか「ホルスの雄牛」といった形容辞が与えられていた――と指摘したようになったのである。
◆L図は、上掲した『図解古代エジプトシンボル事典』の62頁より転載した先王朝時代の「雄牛のパレットの断片」にある標章(ひょうしょう)である。「暴れる雄牛」の下には、「いくつかの神の標章の先端を握りしめる拳(こぶし)」が描かれている。
(C) 2015 OHKAWA
わがブログ「古代エジプト文字の字源」の1回から3回で解説・証明したように、M図のちょうど1千万坪の大鳥の形に作成された「卑弥呼」の地上絵は、卑弥呼が登場することで有名な古文献『魏志』倭人伝(280~289年に著作された)と同じ3世紀後半(260~290年)に作成された。「卑弥呼」の地上絵は、現在の静岡県浜松市北区細江町の行政区域を表示する地図の形として現存する。「卑弥呼」の地上絵は、おそらく世界に立った一つ現存することになったであろう〔文字作成銀河から漢字とヒエログリフが作成された全貌が科学的に解明・証明できる地宜(ちぎ)遺跡〕である。この遺跡は、今日、天皇家の次に位(くらい)するほどの名家といわれる井伊家の先祖の建比良鳥命(たけひらとりのみこと)が作成した。1601年から井伊家は滋賀県彦根市の住人となったが、それ以前はM図上部の「卑弥呼」の地上絵の北隣の引佐(いなさ)町井伊谷(いいのや)に居住していた。現在の彦根市の行政区域を示す地図の形は〔3千万坪の翼のない大鳥の地上絵(地宜)〕となっている。
M図の右上には、引佐町の金指(かなさし)地区がある。この金指からの東南の方角から「夏の銀河の西南部」が昇り、「夏の銀河の西南部」は西南の方角へ没する。
金指地区の西南に、「卑弥呼」の地上絵を作成した経緯度原点のA地点がある。金指とA地点を結んだ延長線上の西南の方角へ、上記したように「夏の銀河の西南部」は没する。
(C) 2015 OHKAWA
N図に示すように、「夏の銀河の西南部」は〔金色に輝く親指を立てる握り拳〕に観える。ゆえに、「金指」という地名になった。
N図左図を90度転回して、O図の左図とした。「夏の銀河の西南部」はO図の右図の「握り拳」のヒエログリフに相似する。だから、「握り拳」のヒエログリフの字源はI図に示した「暴れる雄牛」の字源部がある「夏の銀河の西南部」であったことになる。
(C)2015 OHKAWA
上記したL図上部の「暴れる雄牛」は、I図に示した「暴れる雄牛」の字源銀河を描くものであった。したがって、L図に示したN図の「雄牛のパレットの断片」に描かれた「握り拳」のモデルもまた「夏の銀河の西南部」であったことになる。
上掲した『図解古代エジプトシンボル事典』は「握り拳」のヒエログリフについて「握る(ケファ)やつかむ(アメム)などの語にも使われており、むしろこちらのほうが重要である。このヒエログリフはそうした意味を表現するために、非常に古くから絵画、彫刻に使われておる」と指摘する。
以上のごとく、「3ヵ所の雄牛」の字源によって「3羽を組み合わせたクラハシコウ」のヒエログリフは「力強さ」を意味することになった。
◆人間の目は自動露出カメラのように、本人の意志にかかわりなく、周囲の明るさに応じて虹彩(こうさい╱絞り)が働いて瞳孔径(どうこうけい╱瞳孔の直径)を約2ミリ~7ミリくらいにまで変化させる。明るいところでは約2ミリまでに縮小され、暗闇では約7~8ミリぐらいまでに拡大される。
P図に、冒頭に掲載したA図の文字作成銀河における「秋の銀河」と「夏の銀河の東北部」と「夏の銀河の西南部」の3ヵ所に〔クラハシコウ〕を図案する文字を配置した。
このP図に「クラハシコウ」の文字の下に記した〔G-Ⅲ〕は〔G図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅲ〕をあらわし、〔H-Ⅳ〕は〔H図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅳ〕をあらわす。同様に〔E-Ⅰ〕は〔E図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅰ〕、〔F-Ⅱ〕は〔F図の「クラハシコウ」の字源銀河・Ⅱ〕をあらわす。
(C) 2015 OHKAWA
P図は示すように、〔3箇所にクラハシコウの姿〕が見える文字作成銀河は――古代エジプト人が言う「メドゥウ・ネチェル」つまり「神の言葉」となった総体(全ての銀河各部)の形状が顕現の(はっきりあらわれる)状況――となる。だから、B図の「3羽を組み合わせたクラハシコウ」のヒエログリフは「神の顕現の総体」と意味することになったにちがいない。
というのも、夜間に人里遠く離れた砂漠を往来する旅人が空を仰いだ時に瞳孔径が6ミリくらいのときに文字作成銀河が出現するからである。したがって、この瞳孔径の時にA図とP図に図で示した文字作成銀河は「3ヵ所全部のクラハシコウの姿が見える、字源となる総体(全部)の各部の形状がはっきりとあらわれる状況」となるゆえ、「神の顕現の総体」を意味することになったのである。
瞳孔径が7~8ミリに最も拡大される暗闇から夏の銀河(夏の銀河の東北部・夏の銀河の西南部)の形は、Q図のごとくなる。
わがブログ「古代エジプト文字の字源・4」の冒頭に掲載した「夏の銀河」の写真の形は、Q図に示した形と異なる。人間の目は暗闇で瞳孔が最大に拡大されると、夏の銀河の形はQ図左図のごとくになる。
つまり、Q図の夏の銀河像が見える最大に拡大された瞳孔径だと、3ヵ所の〔クラハシコウの姿〕がはっきりと見えない。逆に、瞳孔径が縮小されても文字作成銀河の各部の形状が不鮮明となる。だから、「神の顕現の総体」とはわがブログ「古代エジプト文字の字源・4」の冒頭に掲載した写真「文字作成銀河」のことを指していることになる。
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