古代エジプト文字の字源・13
●ヒエログリフ「霊」の字源解説・Ⅴ
◆去る7月1日以来約3.5ヵ月のあいだ、「古代エジプト文字の字源」シリーズを休止していた。今日より、また続行することにした。
わがブログ「日本が滅びる」シリーズの1~167回をもって、すべての漢字は私が「文字作成銀河」と名づけた銀河範囲から作成された事実を証明した。
この「古代エジプト文字の字源」のシリーズでは、古代エジプト文字=ヒエログリフは漢字と同一の「文字作成銀河」から作られた事実を証明する。
したがって、ヒエログリフは漢字と同様に「文字作成銀河の各部の形状」を文字(字源・字形・字義)とするものであったことになる。
ヒエログリフと漢字が作られた「文字作成銀河」の写真は、わがブログ「古代エジプト文字の字源・4」の冒頭部に掲載した。
エジプトと中国そしてわが国においても、〔文字作成銀河の各部の名称〕が存在しない。ゆえに、私は下に示すように〔文字作成銀河の各部の名称〕を定めた。
(C) 2015 OHKAWA
◆前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・12」では、初期王朝時代・第1王朝から古王国時代・第6王国までの首都であったメンフィスの古称「プタハのカーの家」は「プタハのカーの宮殿」のことであると解明した。
マリア・カルメラ・ベトロ著╱南條郁子訳『[図説]ヒエログリフ事典』はA図の左図の「N6」の文字について「長方形の周壁をあらわしており、右下の小さな四角形は、出入口の門だという」と指摘する。
上記したように、メンフィスの古称は「プタハのカーの宮殿」であった。ゆえに、A図の左図のガーディナーのリストの「N6」の「長方形」の外枠は「長方形の周壁の建物」を示し、この建物は「宮殿」であったことになる。したがって、A図の左図の「右下の小さな四角形」は「宮殿の出入口の門」をあらわしていることになる。
(C) 2015 OHKAWA
前回のわがブログにおいては、A図の右図に示す「紀元前4000年~紀元前2000年頃までの天頂緯度線」に基に、A図の左図の「右下の小さな四角形=宮殿の出入口の門」は「霊」〈カー〉と呼ばれていた〔天頂緯度線・子午線が測定できる門〕であったと指摘した。
したがってB図に示すように、プタハのカーの宮殿の出入口の門は、「霊」の字形のごとく両腕を上にあげるとおのずと妊婦のおなかのごとく突きだすことになるゆえ、天頂緯度と子午線がキャッチできる姿勢になる。
(C) 2015 OHKAWA
B図の左図に示すように、出入口の門は左右の柱の先端に綱や細い棒がかけ渡されていた。この綱や棒は宮殿の主(あるじ)の王が最も天頂緯度と子午線が測定しやすい高さを基準にしてかけ渡されていたであろう。たとえば、王の背丈は2メートルもあったならばその高さは2.3メートルぐらいであったであろう。このような状況であるならば、日々天頂緯度と子午線をキャッチする眼力と技(わざ)を鍛えた神官や兵たちにあっても精密に王宮の天頂緯度と子午線を測定して、王から遠くの地まで旅する命令を受けても迷わずに王宮に帰還することができたことになる。
◆C図の左側の上図と下図は「入口」と「妨(さまた)げるもの」の両方の意味を有するとされるガーディナーのリストの「N13」と「N14」のヒエログリフである。
(C) 2015 OHKAWA
「N13」と「N14」には「妨げるもの」をあらわす符合のギザギザが付いている。ゆえに、C図の右図の農民たちが避難所や夏の農繁期の仮住まいと利用していた葦で出来た小屋をあらわす文字(ガーディナーのリスト「N4」)と見分けがつく。
C図の左側の上図と下図の「妨げるもの」とは「宮殿に入る資格のない者、つまり敵や不審な者の侵入を妨げる」と意味するものであるにちがいないので、この二つの文字は「宮殿の出入口」を図案した文字であったことになる。
D図は、リチャード・H・ウィルキンソン著╱伊藤はるみ訳『図解古代エジプトシンボル事典』(原書房)の188頁からの転載図である。この図は第5王朝(紀元前2465-紀元前2323年)のセド祭用の中庭の入口を描く。この中庭の出入口は、C図左図の「N13」のごとくに作られていたことになる。
(C) 2015 OHKAWA
E図の左図に、「宮殿」を意味する表意文字のガーディナーのリスト「N11」のヒエログリフを示した。この〔N11の上部の四角形に加えられた斜線〕は、A図の右図に示した天頂緯度線に符合する。だから、この〔斜線〕は〔紀元前3000年~紀元前2000年までの天頂緯度線〕をあらわすものとなる。
(C) 2015 OHKAWA
マリア・カルメラ・ベトロ著╱南條郁子訳『[図説]ヒエログリフ事典』(創元社)は、E図の左図の「N11」について下記のごとく解説する。
「このヒエログリフは、初代の王たちの宮殿を横から描いたものである。宮殿といってもこれは要塞塔で、最上部には敵の侵入を防ぐための柵がついている(詳しい書体をみると、もともとこの柵は、Z30に描かれた先の尖った棒でできていたことがわかる)。
この塔の文字は、王宮や城塞をあらわすヒエログリフの一部として描かれることが多かった。(中略)。
エジプトの王は通常、2つ以上の住まいをもっていた。それらは宮殿複合体というべき大規模なもので、広い敷地に王宮のほか、後宮、厨房、浴場、庭園、神殿、倉庫、事務所、そして薬局やさまざまな仕事場などが立ちならんでいた。」
上記の文中に登場するガーディナーのリスト「Z30」の「敵の侵入を防ぐための柵を作る先の尖った棒」を描くヒエログリフを、E図の右側に配した。
ということは、メンフィスの古称「プタハのカーの家」は「プタハのカーの要塞」であったことになる。
イアン・ショー&ポール・ニコルソン著╱内田杉彦訳『大英博物館 古代エジプト百科事典』(原書房)は、【メンフィス】について下記のごとく記述する。
――メンフィスという名は、サッカラのペピ1世(前2321-2287)のピラミッドに付随するピラミッド都市の名、メン=ネフェル(「確固とした美しい」の意)に由来するように思われる。この都市の最も古い名イネブ=ヘジ(「白い壁」あるいは「白い要塞」)はおそらく、最初期の王の1人によってこの地に建てられた要塞化された王宮の外観に言及したものであろう。
したがって、メンフィスの古称「プタハのカーの家」は「プタハのカーの白い要塞」であったことになる。
◆プタハ神は、「白い要塞」と同様に白い屍衣(しい╱死体を包む布)のようなものにくるまれて、頭に青色の頭巾をかぶって台座に立つ。
古代エジプトでは死者の旅立ちを見送る死者の友人や親戚は白い鉢巻と白装束となった。そりに載せる棺(ひつぎ)を運ぶのは、白い雄牛であった。
わがブログ「古代エジプト文字の字源・6」で指摘したように、人間の目は自動露出カメラのように、本人の意志にかかわりなく、周囲の明るさに応じて絞りが働いて瞳孔径(どうこうけい╱瞳孔の直径)が約2~7もしくは8ミリまで変化させる。
視界の中にわずかの光が入って瞳孔径が5ミリくらいになったときに見える銀河のカラー写真を下に掲載した。(このカラー写真は、2013年7月25日にキャノン株式会社が朝日新聞朝刊の全面広告として掲載したものである)。
上のカラー写真の銀河の範囲を、F図に示した。上記したA図の右図は、F図の一部であったことになる。
(C) 2015 OHKAWA
F図に示す北緯30度のメンフィスの天頂周辺にめぐってきた「人の横顔に酷似する銀河・長方形の暗黒天体部・激流の銀河・十字の銀河の左足の銀河の帯」は〔乳白色〕とその周辺部は〔青色〕に彩られる。
この「乳白色の銀河帯」は英語の「銀河」の「Milky Way(ミルキー・ウエイ)」すなわち「乳白色の道」の語源となった。
G図は、英語の「銀河」の語源となった「乳白色(ミルク色)の銀河におおわれる帯」における中央の「激流の銀河・長方形の暗黒天体部」の周辺図である。
G図に示すように「激流の銀河・長方形の暗黒天体部」は「輪郭がアワビの貝殻のような形をした銀河圏」に包まれて「白色(乳白色)」に彩られる。
(C) 2015 OHKAWA
この「白色の激流の銀河・長方形の暗黒天体部」が「プラハ神」に見立てられた。
だから、プタハ神は白い(乳白色の)屍衣にくるまる姿で表現されたのである。
G図に上部に示したように、「プタハ神」のヒエログリフの字源となる「激流の銀河・長方形の暗黒天体部」を包む「輪郭がアワビの貝殻のような形をした銀河圏南部」は、3世紀のわが国における天頂にめぐってきた。
「輪郭がアワビの貝殻のような形をした銀河圏と激流の銀河・長方形の暗黒天体部」は、GH図の左側に配する[依]の字源となって契文(けいぶん╱殷代後半の亀の甲羅に刻んだ甲骨文字)の字形・字義となった。
わが国の古代中国文字研究の第一人者とされる故・白川静博士は著書『字統』(平凡社)において「依は祖霊の憑(よ)りつくことをいう。また、そのように神霊の憑りつく状態を依という」あるいは「依は神の憑依(ひょうい)することを本義とする字である」と解説する。
古代エジプト人たちも、「白色の激流の銀河・長方形の暗黒天体部」は「メンフィスの創造神(主神)のプタハ神の霊が憑りつく状態」と考えたのである。
だから、G図に示す瞳孔径が5ミリぐらいなった時に見える「白色の激流の銀河・長方形の暗黒天体部」は「メンフィスの祭神のプタハの神霊」となった。
また、H図の左図に示すヒエログリフ「霊」〈カー〉の字源は、瞳孔径が6ミリくらいになった時に見えるH図の右図に示す「文字作成銀河の激流の銀河・長方形の暗黒天体部」となったのである。
◆そして、上掲のカラー写真が示すように、「激流の銀河・長方形の暗黒天体部」の周辺銀河部は〔青色〕である。ゆえに、プタハ神に青色の頭巾をかぶることになったのであろう。
首都がメンフィスであった古王国時代の墓には、プタハ神と同じく青色の頭巾をかぶる鍛冶屋や職人が描かれた。その理由は、「白色の激流の銀河・長方形の暗黒天体部の周辺銀河」が「青色」であるからと考えられる。
上掲した『[図説]ヒエログリフ事典』は「じっさい、プタハは美術や工芸をつかさどる古都メンフィスの主神だったし、王朝美術の中心地だったその古都メンフィスで王宮や神殿の装飾にたずさわる職人たちは、人や神の複製である彫像をつくる役割をもっていたからである。」と解説する。
上掲したカラー写真の上部における炎のごとく赤く輝く部分は、G図中央左側にある「北アメリカ星雲」である。
古代エジプトの色彩感において、植物の緑と水の青は生命を象徴することになり、ナイル川の氾濫の水に漬からない砂漠の色となる赤は死または冥界を象徴することになった。
また、ナイル川の東岸は生者の領域、西岸は死者の領域に分けられた。
G図の「プタハ神」に見立てられた「白色の激流の銀河・長方形の暗黒天体部」は「北アメリカ星雲」より東に位置するので、プタハ神は赤く輝く北アメリカ星雲が象徴する死者の霊と魂を蘇生する役目を有することになったのではあるまいか。
前述したように、メンフィスの古称「プタハのカーの家」は「プタハのカーの白い要塞」という意味であった。
だから、メンフィスの古称「プタハのカーの白い要塞」のうち――「プタハ神」はG図に示す「白色の激流の銀河・長方形の暗黒天体部」に憑依する神であり、「霊」〈カー〉の字源はH図右図の「文字作成銀河の激流の銀河・長方形の暗黒天体部」であった。そして、「白い要塞」はA図とE図に示した「宮殿」であったことになる。
(A図の「N6」が「墓」を意味するのは、古王国時代の墓に青色の頭巾をかぶる鍛冶屋や職人が描かれたことが関係して、プタハ神は墓を作る職人の神であるとともに墓に葬られた死者の霊魂を蘇えらす神でもあったのであろうか?)
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