古代エジプト文字の字源・17
●「男」と「女」をあらわすヒエログリフの字源解説
◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」の1~16回まで証明したように、ヒエログリフは私が「文字作成銀河」と名づけた範囲の各部の形状から作成された。「文字作成銀河」の写真は15回と1回の初頭部に掲載した。
中国で作られた漢字とエジプトで作られたヒエログリフは、文字作成銀河の各部から作られた。つまり漢字において、“字書の聖典”と呼ばれる2世紀初頭に生存した許慎(きょしん)が著作した『説文解字』とわが国の古代中国文字研究の第一人者とされる故・白川静博士が著作した『字統』(平凡社)で語られる字源解説(字形・字義の解説)は、文字作成銀河の各部の形状から図案された秘密について説明するものとなる。前者の『説文解字』は文字作成銀河を観察して漢字の字源を解説するものであるが、後者の『字統』は文字作成銀河から漢字が作られた事実を知らない。しかし、『字統』の字説(字源解説)は文字作成銀河から図案された古代文字の字形はじめ字義にもとづいて思考した意見であるゆえ、その大半の字説は文字作成銀河から漢字が作られた事実と合理性が結果的に成立するものとなった。
ゆえに、銀河から漢字が作られた事実を知らない白川静著『字統』における下記の2頁の『説文解字』の字源解説への批判は根本的に誤っている。
「たとえば、王は天地人三才を貫くもの、告とは、牛が人に口をすりよせて、告げ訴える形というような説明がある。天地人三才を貫くものが王であるというのは、漢代の天人合一の思想による思弁的な解釈にすぎず、また告の字説は、あまりにも稚拙すぎる。このような字説の誤りは、字の初形についての知識の不足を、思弁や推測から補おうとすることから生まれたもので、基本的には、古い文字資料の不足に帰すべきことであった。」
『説文解字』は[天]の字源を「至高にして上無し」と解説する。ゆえに、[天]の字源・字の初形・原義はA図に示す「至高、すなわち最も高くそれ以上の上が無い天頂緯度線」であった。中国の古代天文学では天頂緯度(天頂緯度線の緯度)=観測地点の緯度と定められていたので、[天]=[地]となった(現代の赤緯(せきい)もまた天頂緯度数イコール観測地点の緯度数となって、古代の[天]=[地]の定義に合致する)。天頂緯度線をキャッチすると[地]の緯度も1分の誤差まで測量できて精確であった。そして[天]と[地]の字源銀河部は「天頂緯度線をキャッチする人の姿」にも相似し、また天頂緯度線をキャッチできる才能は王が有していなければならない資格であったので、『説文解字』は「王は天地人三才を貫くもの」と解説したのである。
また、B図に示すように「牛の首の形に似る銀河の口の部分」は「人の横顔に酷似する銀河の頭部」に触(ふ)れて告げ訴えるように観える。ゆえに、『説文解字』はB図の銀河部の形状を見て、[告]の字源を解説した。その証拠に[牛]の下に〔「人の横顔に酷似する銀河の頭部」に触れる「牛の口の形をした銀河部位〕の[口]を加えると、[告]の字が成立する。
(C) 2015 OHKAWA
『字統』を著作した白川静博士は「字の初形」を紀元前1300年から出現した殷代(いんだい)の甲骨文字であると思い込むが、「字の初形」はB図に示す「文字作成銀河の各部の形」であった。したがって、白川静著『字統』の字説こそが甲骨文字を「字の初形」と錯覚した思弁や推測で補う字説ということになる。
「銀河」は「銀漢」とも言うので、「銀漢から作られた文字」略して「漢字」と名づけられた。だから、「字の初形」は「文字作成銀河の各部の形」であったことは事実となる。
◆漢字と同様に、ヒエログリフも漢字と同一の文字作成銀河から作られた。
わがブログ「古代エジプト文字の字源・2」の末部で指摘したように、ヒエログリフは現代ヨーロッパ文字、現代ペルシャ文字、現代アラビア文字、現代ヘブライ文字、現代アムハラ文字の祖先(ルーツ)となる。現代ヨーロッパ文字は、ヨーロッパ・アメリカ・アフリカなどの世界70カ国以上の公用語と使われるABCアルファベットである。ヒエログリフを祖先とするアルファベット圏と中国・日本・韓国で使われる漢字圏を合わせると、おそらく世界の7割から8割の国々の人々は文字作成銀河を字源とする文字を使用していることになる。
このような銀河から文字が起源した秘密は、2世紀初頭に『説文解字』を著作した許慎は知っていたが現代の白川静博士は知らなかったように――古代、歴代王朝をささえる体制側の人々や思想家・学者たち知っていたが、現在において不明になってしまった。というのも、文字が銀河から作られた学術は古代王朝にとって最も強大な政権基盤であったために、王朝が厳重な機密にして独占管理するものであったからである。ゆえに、体制をささえる人々や老子などの思想家や許慎のような文字学者たちは銀河から文字が作られたことを知っていたのである。
ゆえに、20、21世紀において、文字の起源の秘密を世界で最初にわがブログが解明して復興するものとなる。
◆B図に記したような文字作成銀河における各部の名称は、世界中探しても存在しない。そこで、文字作成銀河の各部の名称を下記のごとく私は定めた。
(C)2015 OHKAWA
ヒエログリフは前3150年ころから出現し、前2920年から前2150年までの第1王朝初頭から第6王朝までの首都は北緯30度のメンフィスであった。
前回の「古代エジプト文字の字源・16」でもおこなったように、〔歳差(さいさ)〕という天文現象を用いると、C図に示すように、前4000年~前2000年まで、北緯30度のメンフィスの天頂緯度線が貫通した銀河部が表示できる。ゆえに、〔歳差〕を利用するとヒエログリフの字の初形を示すことができて字源を科学的に解明することができる。
(C)2015 OHKAAWA
C図中央の「激流の銀河」は「ナイル川。ナイル川の洪水」に見立てられた。メンフィス周辺では毎年9月初めころに大洪水となり、この定期的に起きるナイル川の洪水がもたらす豊かな実りによって、古代エジプト王朝は栄えた。当時は原始的な木製のスキで耕作し開墾(かいこん)した。ゆえに、洪水に見舞われた土地は泥のようにやわらかになるゆえ原始的な木製のスキでも容易に耕作し開墾できたので、豊かな実りを手に入れることができた。C図の「ナイル川」に見立てられた「激流の銀河」に隣接する「長方形の暗黒天体部」は、「洪水に見舞われた土地」に見立てられた。
地図が示すように、ナイル川の南が上流・北が下流となって、ナイル川はエジプトの大地を南から北へと流れる。これゆえ、ナイル川の上流となる南部が「上エジプト」、下流となる北部が「下エジプト」と称せられた。
D図に示すように、「ナイル川」に見立てられた「激流の銀河」は東側が上流、西側が下流のごとくに観える。
(C) 2015 OHKAWA
したがって、「激流の銀河の東側」は「上エジプト(エジプト南部)」、「激流の銀河の西側」は「下エジプト(エジプト北部)」に見立てられた。
E図に示す「十字の銀河」は〔人の姿〕に酷似する。また「鬼の姿に似る銀河」も〔ナイル川の水を飲む人。ナイル川の洪水がもたらす豊かな恵みで生活する人々〕をあらわすイメージとなった。
したがって、「十字の銀河」と「鬼の姿に似る銀河」は「ナイル川の恵みを受けるエジプト全土に住む人々」に見立てられることになった。
だから、「人の姿」に相似する「十字の銀河」と「鬼の姿に似る銀河」はエジプトに居住する「男性」と「女性」をあらわすヒエログリフの字源となった。
(C) 2015 OHKAWA
◆F図左図はガーディナーのリストにおいて「セクションA」つまり「男性とその職業」をあらわす項目に分類される――その先頭番号「A1」の「すわる男」のヒエログリフである。
F図右図はガーディナーのリストの「セクションB」つまり「女性とその職業」をあらわす項目に分けられる――その先頭番号「B1」の「すわる女」のヒエログリフである。
(C) 2015 OHKAWA
すべての銀河部は、刻々と東から西へと移動する。A図に示した天頂緯度線は4~6秒の間に、あたかも人が座(すわ)る状況の静止状態になると精確に緯度が測定できた。同様に、「すわる男」と「すわる女」の字源となった「十字の銀河」と「鬼の姿に似る銀河」も座るがごとく静止状態にすれば精確に緯度や高度が測量できた。
したがって、「ヒエログリフは座る、すなわちいかなる動きも行為をあらわさない静止の姿勢になると緯度が精確に測定できる銀河部から作られた事実」を示して、「男」と「女」のヒエログリフは「すわる姿」にデザインされた。
F図左図の「A1」のヒエログリフは「男〈セ〉」という単語をあらわし、「人間〈ス〉」を意味する語の中で使われる。同時に農夫、官吏、門番、泥棒など、職業をあらわす語のほかに、父、夫、息子、兄弟、勇者、仲間、貧乏人など、人間に関する多数の語をあらわす決定詞として用いられた。
G図左図に示す「A2」は「食べる」「飲む」「話す」「黙る」「語る」などの行為のほか、その延長として「考える」「聞く」「愛する」などの行為をあらわす決定詞として用いられた。
G図右図の「A4」は「礼拝する」「賛美する」行為を決定した。
このように、「A1」を基本にして、左右の腕の位置を少し変えて人間のさまざまな動作や状態があらわすヒエログリフが作られた。
(C) 2015 OHKAWA
F図右図の「B1」は、女性に関する語(母、妻、娘、姉妹、女神の名称など)につく決定詞(分類記号)となった。
また、H図に示すように「B2」は「妊娠する」、「B3」は「出産する」、「B5」は「乳を与える、「B6」は「育てる」「授乳する」を意味する決定詞として用いられた。
(C) 2015 OHKAWA
I図に示すように、複数をあらわす3本線の上に「A1」と「B1」を組み合わせる文字は「人々。人類」などをあらわす決定詞として使われた。
◆「十字の銀河」と「鬼の姿に似る銀河」の顔は〔横顔〕である。ゆえに、セクションA(1~55まで)の55種類の文字とセクションB(1~7)の7種類の文字のすべては、横顔・側身形に表現された。この形式について、学者たちはエジプト美術特有の表現方法だと指摘する。けれども、エジプト美術とヒエログリフは文字作成銀河の各部の形状にもとづいて表現されるものであった。この結果、「人の姿」に相似する「十字の銀河」と「鬼の姿に似る銀河」が示す〔横顔と側身形〕はエジプト美術とヒエログリフにおける一定形式となったのである。(なお、「十字の銀河」は東半身が男性の側身形、西半身が女性の側身形となる)。
以上のごとく、ヒエログリフは上掲した文字作成銀河から作られたことは何人にも否定できない事実となる。
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