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2015年11月24日 (火)

古代エジプト文字の字源・19

 ●「オシリス神」の解明
 
◆前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・18」にて紹介したように、アンドルー・ロビンソン著/片山陽子訳『[図説]文字の起源と歴史』(創元社)は「ヒエログリフは紀元前3100年頃、ちょうどエジプト王朝が始まる少し前に、突然、ほとんど完成された形で出現したようにみえる。ただしその図案や記号の多くは前王朝期、すなわち王朝が始まる何世紀前からあったことがわかっている。」と指摘する。
 わがブログは前回までにおいて、ヒエログリフが出現する以前の図案や記号、ヒエログリフに用いられた図案や記号、そして神々もまた私が「文字作成銀河」と呼ぶ範囲から作られたことについて証明してきた。「文字作成銀河」の写真はわがブログ「古代エジプト文字の字源」の1回と15回初頭部に掲載した。
 夜空には、明確な形を有する壮麗な文字作成銀河が輝く。人類の美術のみなもとは文字作成銀河であり、エジプトや中国はじめ世界中の古代王朝は銀河から文字を作り、この文字の発明が学術・美術の第一歩となり、また王政の始まりとなった。したがって銀河から作られた文字は王朝をささえる最も強力な権力基盤となり、反体制側の人々が文字の学術を手に入れて革命に利用して王朝が崩壊しないように最も厳重な機密にするために、銀河から文字が作られた秘密を暴露する者を即座に死刑にした。
 中国の五経の第一に挙げられる『易経』の繋辞(けいじ)下伝は「仰いでは天象を観、俯しては地法を観、鳥獣の文と地宜(ちぎ)を観る。(中略)。もって万物の情に類して文字を作った」と説明し、この文章で「文字作成銀河」を「天象」とあらわした。
 孔子と並ぶ思想家の老子の教えを説く『老子』の第1章から第37章までの上篇(道経)は「銀河から漢字が作られた、最初の漢字は文字作成銀河の各部の形状であった。」と後世に伝える文献であった。だから、『老子』は「字源・文字の原形・原義は銀河各部の形状であった。歴代王朝は書いた文字が用済みになったらならば必ず文字を消さない者や文字を消すことを忘れた者を即座に死刑にした。ゆえに、殷代(いんだい)後半の亀の甲羅に刻んだ甲骨文字以前の原初漢字(五帝時代・夏代・殷代前半)の字形は文字作成銀河の各部の形状であった」と証言する書物であった。ゆえに、老子は役人に捕まって死刑となることを恐れて宿無し犬のごとく住所不定の逃亡者となった。
 このような老子の生涯が伝えるように、銀河から文字が作られた学術が厳重な機密になった歴史的伝統によって、世界中探しても私が「文字作成銀河」と名づけた銀河の各部には、名称が存在しない。そこで私は下記のごとく、文字作成銀河各部の名称を定めた。
Photo_2
(C) 2015 OHKAWA 
 
◆前述したように、紀元前3100年頃から、古代エジプト文字(ヒエログリフ)は出現した。
 イアン・ショー&ポール・ニコルソン著/内田杉彦訳『大英博物館 古代エジプト百科事典』(原書房発刊)は紀元前3000年初頭の第1王朝ジェルの代に、「天狼星(てんろうせい)の出と太陽年の始まりを結びつけていた可能性があると指摘されている」と記述する。
 「天狼星」は全天第一の輝星の「おおいぬ座のα星シリウス」である。
 光度-14等星のシリウスは「イシスの星」と称して崇拝された。つまり、イシス神はおおいぬ座シリウスの化身であった。
 紀元前3000年頃、エジプト暦は――夏至の日の太陽が地平線から昇る少し前、1365.25日の周期のイシスの星が東の地平線上に姿をあらわす時を正月元旦とし、4年に1回の閏年(うるうとし)を置く恒星暦――にして太陽暦を採用していた。
 シリウスの化身のイシス神は、オシリス神の妹にして妻であった。オシリスとイシスはともに、天空の女神ヌトと大地の男神のゲブから生まれた兄と妹であった。

◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」の14回と15回において、A図に示す第30王朝(紀元前380-同343)が作成した「天地創造図」の彫刻に注目して――オシリスとイシスの母ヌトと父ゲブは、上掲した「文字作成銀河」の左上の「オス鹿の横顔に似る銀河」における「十字の銀河周辺の銀河」から創造されたことを詳細に証明した。A図の彫刻はニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵する。
E721
(C) 2015 OHKAWA
 

 B図に示すように、天空の女神ヌトは「原初の海」に見立てられた「四つ輪の銀河」から創造され、大地の男神ゲブは「十字の銀河」から創造された。
E722
(C) 2015 OHKAWA
 
 またC図に示すように、「銀河輝く天」のイメージとなる「十字の銀河」から「女神ヌト」は創造され、「大地」や「天空の銀河を見上げる人」のイメージとなる「鬼の姿に似る銀河」から「男神ゲブ」が創造された。
E723
(C) 2015 OHKAWA

◆D図左図に「オシリス神」の頭部と王冠を示した。上記した『大英博物館 古代エジプト百科事典』は【オシリス】の項目で「オシリスがかぶるのは独特の〈アテフ〉冠で丈の高い〔白冠(しろかんっむり)〕の両側面に羽毛飾りがついているが、雄羊の角をつけて表される場合もある」と記す。D図左図のオシリスがかぶる冠中央の〔ボウリングのピン〕の形をした部分が、D図右図「白冠」である。「白冠」は〔ボウリングのピン〕の形の「北天の最輝部(さいきぶ)」からデザインされた。
E724
(C) 2015 OHKAWA

 前回の「古代エジプト文字の字源・18」において「白冠」は、国際天文学会で「北天(ほくてん)の最輝部(さいきぶ)」と名づけられた銀河からデザインされたことを証明した。というのも、「北天の最輝部」は〔ボウリングのピン〕のような形をしているからである。
 エジプト暦が起源した紀元前3000年ころの首都は、上エジプト(エジプト南部地方)と下エジプト(エジプト北部地方)の接点に近いメンフィスであった。メンフィスは北緯30度であるゆえ、〔歳差(さいさ)〕という天文現象にもとづくと、E図の下部に示す北緯30度の(2)紀元前3000年の天頂緯度線が示すようにメンフィスの天頂に「北天の最輝部」がめぐってきた。
E731

(C) 2015 OHKAWA

 E図に示すように、「白冠」と「北天の最輝部」の形はともに〔ボウリングのピン〕のような形をしている。だから、オシリス王冠中央の「白冠」は「北天の最輝部」をあらわした。
 E図の上部(東側)には、ヌトとゲブが創造された「四つ輪の銀河」(B図)と「十字の銀河・鬼の姿に似る銀河」(C図)が存在する
 A図の彫刻にて描かれたエジプトの天地(ヌトとゲブ)創造神話では「ゲブはヌトに星を胎生(たいせい)させた」と語られる。ゆえに、シリウス星の化身のイシス神はヌトから生まれたオシリス神の妹にして妻となった。
 F図に示す「はくちょう座γ(ガンマ)星とγ星を円形に包囲する銀河部」の形は、左上に示すガーディナーのリストの「M5」の〈ラー〉と発音する「太陽」や「日」を意味するヒエログリフの字源となった。
E741
(C) 2015 OHKAWA

 紀元前3000年初頭の暦の起源によって、エジプト王朝は「天球上における太陽が1年間に通過する軌道」すなわち「黄道(こうどう)」を知ることになった。黄道の天球上における太陽の日々の位置は、西から東へ進む。黄道の逆向きに、銀河や星は東から西へと進む。このため、ヒエログリフの字形は(1)東を左側に配置する形式だけでなく、(2)東を右側に配置する形式でも図案されることになった。
 G図に示すように、「十字の銀河」の東半身は〔弓を左手(東側の手)に持つ男性の姿〕に相似する。そして、「十字の銀河」の西半身には〔子宮、乳房、妊娠したおなか〕に相似する部分を有する女体」に観える。
E742
(C) 2015 OHKAWA

 F図に示す東側の国際天文学会が「コールサック(石炭を入れる真っ黒な袋)」と名づけた暗黒天体部は〔妊娠した女性のおなか〕のごとくに観える。ゆえに、「コールサック」は「イシス神」に見立てられた。したがって、「コールサック」に隣接する「白冠」のモデルとなった「北天の最輝部」を額(ひたい)に有する「人の横顔に酷似する銀河」は「オシリス神」に見立てられたことになる。
 F図の「女体・イシス神の妊娠したおなか」に見立てられた「コールサック」は〔東側〕となるが、G図の「十字の銀河」における「女体」は〔西側〕にあるので、両者の向きは互いに相反する。前述したように、銀河や星は〔東から西へ進む〕のに対して、黄道における太陽の日々の位置は〔西から東へ進む〕ゆえ、両者の向きは相反する。
 ゆえに、エジプト暦が起源して黄道が完成した当時、F図とG図の〔男女の姿に似る銀河〕の東西の向きが相反することにもとづいて、「十字の銀河」すなわち「天空の女神ヌト」から生まれた「オシリス神」は「北天の最輝部」と「人の横顔に酷似する銀河」から創造され、「天空の女神ヌト」から生まれた「イシス神」は「天狼星・シリウス」と「コールサック」から創造されたと考えるべきことになる。

◆「北天の最輝部」は〔エジプトの人々にとって最も輝いて見える銀河部〕であり、「シリウス」は〔全天において最も輝く星〕である。ゆえに、「人の横顔に酷似する銀河」は「オシリス神」に見立てられ、「シリウス」は「イシス神」に見立てられてオシルス神の妹にして妻となった。
 F図に示したように「北天の最輝部」に隣接する「はくちょう座γ星を包む円形の銀河部」は「太陽」を意味するヒエログリフの字源となった。このため、「北天の最輝部」をあらわす白冠をかぶるオシリスは「夜の太陽」をあらわした。また、オシリスは冥界の支配者(死者の国の王)となった。
 死の神・オシリス神は再生の可能性を内に秘める神となり、イシス神は死者の内臓を守る保護女神の一人となった。
 H図の「オシリス神」のヒエログリフはガーディナーのリストにない文字となったが、表意文字または決定詞として、オシリス神の名前「ウシル」の中で用いられた。
E743
  次回は、D図に示したオシリスがかぶる白冠を中央に配する〈アテフ〉冠の秘密を解明する。 

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