古代エジプト文字の字源・21
●桃花鳥(トキ)のトト神が学問と文字の神であった秘密の解明
◆天然記念物の「トキ」という鳥は漢字で「朱鷺」「鴇」と表記し、また「桃花鳥」とも書く。トキは全身白色で、翼の裏(うら)の面と風切羽と尾羽が淡紅色をおびる。わが国の伝統色においては、トキの翼の裏面・風切羽・尾羽の「淡紅色」を「トキ色」と呼ぶ。
上記したように「トキ」はわが国では「桃花鳥」と表記する。この「桃花鳥」は文字とおり「桃の花の色」のことであるが――日本の伝統色では、トキの翼の裏面・風切羽・尾羽の色である「トキ色」に少し赤色を加えたのが「桃花色」である。したがって、日本の伝統色にもとづいて厳密にいうと「トキ色」と「桃花色」は別なる色となるが――これからの解説においては、「桃花鳥」を「トキ」と読むことにもとづいて「トキ色」=「桃花色」とする。
前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・20」において、下に示すカラー写真を掲載した。このカラー写真は、わが国の天体写真の第一人者とされる藤井旭氏が撮影した。
(C)2015 OHKAWA
前回のブログで解明・証明したように、A図に示すオシリス神がかぶる〈アテフ〉冠は国際天文学会が「北天の最耀部(さいきぶ)」と名づけた銀河部からデザインされた。
(C) 2015 OHKAWA
「北天の最輝部」は「北半球の人々が最も輝いて見える銀河部」のことである。
A図の〈アテフ〉冠中央の「白冠(しろかんむり)」のモデルとなったボウリングのピンのような形をした「北天の最耀部」の中心部は銀白色に輝く。上に掲載したカラー写真の銀河において、〔銀白色に輝くボウリングのピンの形をした部分〕を〔トキの胴体〕に見立てると――B図に示すトキの胴体の西隣の〔トキの翼〕に相当する部分は〔桃花色〕に輝く。ゆえに、日本の伝統色の「桃花色」と「桃花鳥」を「トキ」と読む秘密は、B図に示す〔翼〕の部分となる「北天の最耀部」から起源し、由来するものであったことになる。
(C) 2015 OHKAWA
なお、B図における「北天の最耀部」「北アメリカ星雲」「ペリカン星雲」「コールサック」は国際天文学会が付けた名称である。それ以外の銀河下部の名称は、私が付けた名称である。
◆マリア・カルメラ・ベテロ著/南條郁子訳『[図説]ヒエログリフ事典』(創元社)は「学問と文字の神であり、魔術の神、月の神ともいわれたトトが、なぜトキとむすびついたのかはよくわかっていない。」と指摘する。
実際には――学問と文字の神、魔術の神、月の神のトトが、なぜトキとむすびついたのか、この秘密はまったく解明されていない。
古代エジプト文字=ヒエログリフは、下に示す私が「文字作成銀河」と呼ぶ各部の形状から作られた。この文字作成銀河の白黒写真もまた、藤井旭氏が撮影した。
(C) 2015 OHKAWA
私が付けた文字作成銀河各部の名称は、下のごとくなる。
(C) 2015 OHKAWA
すべてのヒエログリフは文字作成銀河から作られた。そして、トキは書記と文字を筆記する行為の守護神のトト神となった。古代エジプト王朝の学問は文字作成銀河から医学・天文学・暦学・数学・幾何学などが起源し、またすべてのヒエログリフ(文字)は文字作成銀河から考案・発明された。
下記にて解説・証明する「トト神となった銀河範囲」は、上記した学問とヒエログリフの中心部となった。だから、トキ=トト神は学問と文字の神となった。
古代エジプト王朝の学問と文字の体系における基軸は、C図左図の右上に示す〔天頂緯度〕であった。食糧となる獣を追跡して道無き大地を歩く原始の時から広大な雪や氷の光景が続く氷河時代を生きぬいて種を保存した狩猟遊動民であった人類は、C図左図の〔天頂緯度〕をキャッチできる目の能力を鍛錬して「迷った! 死ぬ! 飢えてすぐに死ぬにちがいない」という恐怖を排除できたので種を保存することができた。ゆえに、原始の時から受け継がれた伝統と遺伝子によって、人間の目は鍛錬すると天頂緯度線をキャッチできて緯度が1度の60分の1の1分まで精確に測定できる能力を有していた。いっぽう、C図右図の北極星の高度で緯度換算すると、誤差が90倍の90分(1.5度)以上となって、古代エジプトの人々は森林や砂漠において位置も方角もまったく不明になって命を失う羽目になった。
(C) 2015 OHKAWA
C図右図の紀元前3000年の北極星=りゅう座α星は天の北極から約45分離れていた。ゆえに、天の北極を中心にして約90分の円を描いた。だから、りゅう座α星の高度で緯度換算すると誤差が90分となって、人々は道に迷って命を失った。古代にあって、すべての北極星は緯度の誤差が90分以上となる命を失う疫病神であったのである。だから、今日地球上に生き延びたすべての民族は、〔天頂緯度のキャッチする能力〕によって今日の日を生きていることになる。〔北極星の高度を緯度換算する方法〕では人類は全滅したのである。
〔天頂緯度をキャッチする術〕から学問や文字を手に入れた民族の文化・文明は進化して莫大な富を有することになり、天頂緯度をキャッチする術を廃止して道に迷わないですむマーキングを考案して縄張り定住生活に安穏した民族は文化・文明が停滞して貧しくなった。
◆C図左図の天頂緯度をキャッチすると緯度が1分まで精確に測量できて命が確保された。だから、(1)〔天頂緯度と重なる銀河部をキャッチして、緯度が1分まで精確に測定できる術〕を古代エジプト王朝は「魔術」と呼んだ。また、人間の瞳孔は、自動カメラのごとく、本人の意志にかかわりなく周囲の明るさに応じて絞りが働いて、約2mmから約7mmまで縮小・拡大する。光がまったく入らない暗闇から観察すると、暗い銀河部や暗い星たちがよく観えるようになる。ゆえに、太陽が輝く昼間は瞳孔が2mmまで縮小するので、天空に存在する銀河が見えない。これゆえ、(2)〔真っ暗闇ならば銀河がよく見えて、目に入る明るい光の量が増せば増すほどに銀河が見えなくなる瞳孔の仕組み〕もまた「魔術」と呼ばれることになった。さらに、(3)〔文字作成銀河の各部の形状からヒエログリフ(文字)が作られ・読み書きされた行為・技(わざ)〕もまた、いわゆる「魔術」とされた。だから、文字作成銀河から生まれた学問と文字の神のトト神は「魔術の神」ということにもなったのである。
太陽が輝く昼間には銀河は見えない。しかし、月が出る夜間には銀河は見える。銀河各部の形は月が出現しない新月によく見え、満月の日にはその光でよく見えなくなる。したがって、新月・三日月の夜には銀河はよく見えるので、トト神は「月の神」となった。
D図のガーディナーのリストの「M11」と「M12」における「三日月」のヒエログリフは5字のヒエログリフで〈イアフ〉を構成し、この〈イアフ〉の文字群の中にあって「月」や月神の名をあらわす表意文字または決定詞となった。古代エジプト暦では、新月の前日から1ヵ月が始まった。新月には月をあらわれないので形に示すことができないゆえ、「月」のヒエログリフは銀河各部の形がよく見える月の「三日月」であらわされた。また、D図右図の「M12」の上部は「満月」をあらわし、下部の「三日月」は「満月の日より以後の新月の前日の三日月」を図案して「新月の前日から1ヵ月が始まる古代エジプト暦の法則」をあらわすものと考えられる。
(C) 2015 OHKAWA
◆E図に「トキ」のヒエログリフとトキの頭を有する「トト神」を図示した。
(C) 2015 OHKAWA
F図の上部には「北アメリカ星雲」と「長方形の暗黒天体部」がある。
(C) 2015 OHKAWA
G図に示すように、「北アメリカ星雲と長方形の暗黒天体部の西の辺」は〔トキの顔とくちばし〕に相似すると見立てられてE図に示した「トキ」を意味するヒエログリフが作られ、トト神が創造された。
前述したように、トト神は書記および文字を筆記する行為の守護神であった。
F図に示すように、「激流の銀河・長方形の暗黒天体部」は〔筆と紙となったパピルスが自生するナイル川の岸〕に見立てられた。「人の横顔に酷似する銀河」は〔書記の顔〕、「鬼の姿に似る銀河」は〔文字を書く右手〕、「北アメリカ星雲と長方形の暗黒天体部の西の辺」は〔筆〕、「長方形の暗黒天体部」は〔パピリスで作った紙〕や〔書記が使ったパレット〕に相似すると見立てられた。
だから、F図に示す「トト神をあらわす銀河」は「トキ」と密接に結びつき、ヒエログリフは銀河から作られた事実を明確に示す。したがって、B図下部に示した〔トキの胴体・翼〕の形に相似する〔北天の最耀部〕を有する「人の横顔に酷似する銀河」から〔人体〕を連想して、E図の右側に配する〔トキの頭部と人体が合体するトト神〕が創造された。
◆G図に示した「トキ」のヒエログリフの字源になった銀河部とF図の「書記の姿や書記が持つ道具をあらわす銀河」を「トト神」と定めて、王・神官・書記たちは「文字作成銀河の各部の形は文字とする」と定めて読み書きをおこない、古代エジプト王朝は〔文字作成銀河から作られた文字の学術と芸術〕を独占管理して厳重な機密とした。いいかえると、F図の銀河を見て〔書記の姿や文字を筆記する行為〕や〔トト神〕に見立てることができない人物は、王・神官・書記になれず、権力・富・名誉そして学問を手に入れることができなかった。
以上のごとく、B図のトキの翼のごとく美しくトキ色に輝く銀河部を側面に有するとともにトキの全身のごとく真っ白な「北天の最耀部」に注目すると、F図・G図に示した「書記および文字を筆記する行為に観える各部の銀河」によって、今日まったく解明されていない学問と文字の神、魔術の神、月の神であるトト神がトキとむすびついた理由・根拠はいとも簡単に明らかとなる。
すべてのヒエログリフは文字作成銀河から作られ、文字作成銀河の各部は文字となり、この方法に則って王・神官・書記たちは読み書きをした。そして、彼らは、文字=文字作成銀河の各部の形と定めた学識の基に政事(まつりごと)を治めていたのである。
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