G-T0XYQT12LL 古代エジプト文字の字源・23: 卑弥呼の逆襲

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2015年12月 9日 (水)

古代エジプト文字の字源・23

 ギザの三大ピラミッドとスフィンクスの秘密の解明(1)

◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」シリーズは、前回(22)まで私が「文字作成銀河」と呼ぶ銀河範囲の各部の形から古代エジプト文字(ヒエログリフ)が作られた事実を証明してきた。
 この「文字作成銀河」は下に掲載した。
Ginga
 
 世界中探しても、文字となった銀河各部には名称が存在しないので、私は下のごとく各部の名称を定めた。
Photo
(C) 2015 OHKAWA

  ◆前回の「古代エジプト文字の字源・22」で指摘して証明したように――古代エジプト神話には文字を作って字数を増やす役目があり、また上掲した文字作成銀河は作った文字やことば()を知ることができる字書・辞典の役割を有した。
 
 前回のわがブログでは、下に記したエジプト神話の後半部に登場するホルス神とトト神が文字作成銀河の形状から創造された秘密について解明した。
 「オシリス神は弟のセトに殺されて死体を切り刻まれる。妹であり妻であったイシスが、バラバラになった体を集めて、オシリスを復元した。そして息子のホルスは父オシリスを殺害した叔父のセトに片目をくりぬかれ、その目は切り刻まれて捨てられた。しかし、学問と文字の神であり、魔術の神のトト神が辛抱づよくそれらを集めて元通りにした。ホルスが復讐をとげて、父の後を継いだ。」
 今回は、上記の神話の前半部に登場するセト神のモデルとなった銀河を解明する。このセト神の秘密の解明によって、世界的に有名なギザの三大ピラミッドとスフィンクスが建造された理由が明らかとなる。今回はセト神が創造された銀河に関する事柄の解説で終わるが、次回はギザの三大ピラミッドとスフィンクスがなぜ建造されたか、その秘密を解明する。

◆前回のわがブログでは、A図に示す〔トキ〕と〔書記および文字を書く行為〕のイメージとなる各銀河の形状から学問と文字の神であるトト神が創造された秘密を解明した。
E841
(C) 2
015 OHKAWA

 わがブログ「古代エジプト文字の字源」のシリーズにおける1921回までおいて、A図中央右側にある「北天の最耀部(さいきぶ)」を額(ひたい)に有する「人の横顔に酷似する銀河」から、B図のオシリス神が創造されたことを証明した。「北天の最耀部」とは「北半球に住む人々が最も輝いて見える銀白色の銀河部」である。つまり、漢字の「銀河」の[]は「銀白色に輝く北天の最耀部」のことであった。ホルスの父オシリスがかぶる〈アテフ〉冠は「北天の最耀部」からデザインされた。
E842
(C) 2015 OHKAWA
 
 オシリス神が創造されたA図の「北天の最耀部の側面」はトキの翼の形に相似し、またトキの翼の裏と風切羽と尾羽のごとくトキ色(桃の花のごとくの淡紅色)に輝く。ゆえに、A図の右端に記したようにオシリス神が創造された「人の横顔に酷似する銀河」は〔トト神と書記の顔〕に見立てられてトト神が創造された。A図の「書記の姿や文字を書く行為に似る銀河」にもとづいて、C図左図の「トキ」のヒエログリフが作られ、C図右図に示すトキの頭と人体が組み合わせるトト神が創造された。
E843
(C) 2015 OHKAWA
 
 A図における文字を書く〔筆〕に見立てられたのは、国際天文学会が「北アメリカ星雲(上部)・ペリカン星雲(下部)」と名づけた2つの星雲である。
 A図とD図は同一銀河の範囲図である。

  E844
(C) 2015 OHKAWA
  

 前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・22」で解説・証明したように、D図における「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」からE図左図の「ホルスの目」のヒエログリフが作られ、E図右図に示すオシリス神の息子の「ホルス神」が創造された。
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(C) 2015 OHKAWA
 
◆F図右図に示す「コールサック」の「コール」は「石炭」、「サック」は「袋」を意味する。ゆえに、国際天文学会が「コールサック」と名づけた銀河部は「真っ黒な石炭を入れる袋のような形をした暗黒天体部」ということになる。
E851_2
(C) 2015 OHKAWA
 
 「コールサック南部」は〔円く前に突き出た妊婦のおなか〕のような形であるゆえ、〔ホルス神の母、またオシリス神の妻にして妹のイシス神〕に見立てられた。オシリスが創造された「人の横顔に酷似する銀河」に隣接する「コールサック」からイシスが創造され、「人の横顔に酷似する銀河」と「コールサック」の中間にある「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」から二人の息子のホルスが創造された。
 F図における「コールサックの北部」にして〔イシスの背中〕に相当する、「北アメリカ星雲・ペリカン星雲の西隣の暗黒天体部」が「叔父のセト神」のモデルであると考えられる。この「セト神が創造された暗黒天体部」は斜線で表示した。
 G図の左図に示すように、セト神は動物の頭を有する人間の姿で表現された。
E852
(C) 2015 OHKAWA
 
 マリア・カルメラ・ベトロ著/南條郁子訳『[図説]ヒエログリフ事典』(創元社)はセト神とG図右図の「セトの動物」のヒエログリフについて下記のごとく説明する。
 「セト神は、世界の混乱と無秩序をあらわす神である。ヒエログリフでは、動物の頭をもった人間の姿で表現されている(G図左図)。この動物のモデルについてはさまざまな説があるが、おそらくこれは、砂漠に住むとされた架空の動物のひとつなのだろう。犬のような形であらわされた異体字(G図右図)は、苦しみや暴力に関する言葉を決定するのによく用いられた。普段は気候の安定しているエジプトに時おり襲いかかるさまざまな嵐をさす言葉も、この文字によって決定された。」
 冒頭に掲載した「文字作成銀河」の写真が示すように、F図の斜線で表示した暗黒天体部は〔犬の姿〕に相似する。数日前のある局のテレビ放送は野犬の群れに悩まされる市の状況を伝えた。その市の群れをなす野犬は凶暴で人が近づくと威嚇(いかく)し家畜を殺して食べ田畑を荒らして甚大な被害をもたらしていた。古代エジプトにあっても、砂漠に棲む群れをなす野犬は現在同様に田畑の作物を餌にして家畜を殺し敵対する人を襲ったことになる。だから、F図に斜線で示した暗黒天体部は〔群れをなす凶暴な野犬の姿〕に相似すると見立てられて、セト神は混乱と無秩序をもたらす砂漠に住む野犬のような頭を有する悪魔と想像されたにちがいない。

◆「セト神」に見立てられた暗黒天体部の足元には、F図左側に配する字形が異なる二つの「太陽」を表現したヒエログリフの字源がある。
 その一つは「太陽」や「日」を意味する〈ラー〉を発音する〔シンプルな太陽〕である。この「太陽」のヒエログリフは、「北天の最耀部」の北隣の「はくちょう座γ星とこの星を円形に包囲する銀河」から図案された。
 もう一つの「輝く。光線。昇る」などの太陽の輝きに関する言葉の中で使われる〈ウベン〉と発音する〔太陽と3本の光線〕のヒエログリフは、「北アメリカ星雲・ペリカン星雲と3本の放射線の銀河部」から作られた。

「歳差(さいさ)」と呼ばれる天文現象にもとづくと――H図のごとく、5000年前と4000年前の夏至の日の午前零時のはくちょう座の位置を示すことができる。
E853
(C) 2015 OHKAWA
 
 5000
年前の夏至の日の午前零時、F図左下に配する〈ウベン〉と発音する〔太陽と3本の光線〕の字源となった銀河部が子午線通過しようとしていた(F図に示すように、はくちょう座α星の東隣は北アメリカ星雲・ペリカン星雲である)4000年前の午前零時、F図左側に配する〈ラー〉と発音する〔シンプルな太陽〕の字源銀河となった「はくちょう座γ星とこの星を円形に包囲する銀河部」が子午線通過した。
 だから、この二つの「太陽」をあらわすヒエログリフは〔夏の強烈な太陽光線〕をあらわした。砂漠の旅人はじめ人々は眩(まぶ)しい夏の強烈な直射日光によって、夜間、I図右上に示す〔緯度を1分の精確さで測量できる〔玄〕(天頂緯度線と子午線)をキャッチできる健康な目〕を失った。
E854
(C) 2015 OHKAWA
 
 前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・22」にて指摘したように、〔[]をキャッチできる目〕は原始から氷河期において人類が滅亡しないですんだ本能としてそなわった能力であり、道路網が未発達な古代エジプト人が道に迷わずに最も大事な命を確保できた誰もが失うことを心配した最も大切な能力であった。だから、E図左図の「ホルスの目」は「ウジャトの目」とも呼ばれた。この〈ウジャト〉の元の意味の「健康な目。回復した目」は「命が確保できて寿命が伸びるすべての人々が願望する[]をキャッチできる目」であったのである。ゆえに、エジプト神話における「オシリス神は弟のセトに殺されて死体は切り刻まれた。そして息子のホルスはセトに目は切り刻まれて捨てられた」という表現は「[]をキャッチできる目を失った」と意味したことになる。
 「世界の混乱と無秩序」をあらわしたセト神は「人々が[]をキャッチできる目を失って地上から人々がいなくなってエジプトが滅亡すると心配していた恐怖」をあらわし、また「暦が乱れてナイル川に洪水が起きなくなって豊かな実りに恵まれずにエジプト中が飢餓に陥る混乱と無秩序となる様子」をあらわすものであったことになる。

◆前回のわがブログ「古代エジプト文字の字源・22」で解説したように、J図に示すがごとく「ホルスの目」は6つの〈ヘカト〉と呼ぶ分数に分けられた。
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(C) 2015 OHKAWA
 
 K図は「32分の1ヘカト」の字源銀河の解説図である。
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(C) 2015 OHKAWA
 
 L図は「64分の1ヘカト」の字源解説図である。
E856
 
 前回のわがブログで解説したように、L図の〔ホルス神=ハヤブサの目の下の黒斑〕をあらわす「64分の1ヘカト」の字源銀河は〔1度の64分の1の約1分(0.94分=56)〕すなわち「緯度を1分の精度で測量できる[]をキャッチできる目」をあらわした。
 E図右図のホルス神はハヤブサの頭と人体を有する。
 ホルス神は初期の王朝が創設される以前から広く崇拝されていた。というのも、古代エジプト人たちは誰でもI図に示した[]をキャッチできる目を持ちたいと願い、〔[]をキャッチできる健康な目〕を象徴するものが「ハヤブサの目」であったからである。ハヤブサははるか上から急降下して獲物を捕獲するとき、時速250㎞以上のスピードを出すといわれる。I図に示す〔[]のキャッチ〕は4~6秒ぐらいでおこなわなければならなかった。この〔寸秒でおこなわれた[]のキャッチ〕は〔ハヤブサが高速で急降下しておこなう獲物のキャッチ〕にたとえられて、ハヤブサの頭を有するホルス神が創造された。ハヤブサの目の下にある黒斑は、高空での高速飛行中にあって光を吸収して眩(まぶ)しさを防ぐものとされる。夏の強烈な日光が照る砂漠を旅する人々は眩しい日の光で目がやられると、緯度1分の精度で測定できる[]をキャッチする健康な目を失った。ゆえに〔[]をキャッチできる目〕はL図の〔眩しさを防ぐハヤブサの目の下の黒斑〕に見立てられた。これゆえ「64分の1ヘカト」のヒエログリフの字源となる「長方形の暗黒天体部の西辺の星屑」は、「緯度を1分の精度で測定できる[]をキャッチできる目」をあらわした。
 したがって、K図の「32分の1ヘカト」の字源銀河は〔1度の32分の1の約2(1.875)〕をあらわした。
 H図に示した5000年前から4000年前は、先王朝時代末(5000年前)から第6王朝時代(紀元前2323-同2150)までとなる。当時の都は北緯2959分のメンフィスであった。ギザの三大ピラミッドとスフィンクスが建造されたクフ王・カフラー王・メンカウラー王の第4王朝は約4500年前(紀元前2575-同2465)である。三大ピラミッドとスフィンクスがあるギザは北緯3001分である。したがって、メンフィスとギザの緯度差は2分となり、K図の「32分の1ヘカト」があらわす「2分」に合致する。F図に示したように、「2分」をあらわす「32分の1ヘカト」の字源は「セト神の足元となる暗黒天体部」である。
 だから「32分の1ヘカト」のヒエログリフは「[]をキャッチできる目であればギザとメンフィスの緯度の2分の差を測量できる」と示すものとなる。
 つまり、F図に示した「セト神」が創造された暗黒天体部から〔人々が[]をキャッチできる目を失い暦が乱れて豊かな実りをもたらすナイル川の洪水が起きなくなって混乱と無秩序のセト神に支配される状況〕を心配して、このようなエジプト滅亡・この世が終わりとならないことを願ってギザの三大ピラミッドとスフィンクは建造されたのである。

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