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2015年12月24日 (木)

古代エジプト文字の字源・25

 作られた理由・根拠不明のヒエログリフの字源解明

◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」シリーズは一貫して、前回(24)まで私が「文字作成銀河」と呼ぶ銀河範囲の各部の形から古代エジプト文字(ヒエログリフ)が作られた事実を証明してきた。この「文字作成銀河」の写真は前々回の「古代エジプト文字の字源・23」の冒頭に掲載した。
 世界中探しても、文字となった銀河各部には名称が存在しない。これゆえ、私は下のごとく文字作成銀河の各部の名称を定めた。
Photo
(C) 2015 OHKAWA

◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」シリーズでは幾度となく――古代エジプト神話には文字を作って字数を増やす役目があり、また上掲した文字作成銀河は作った文字やことば()を知ることができる字書・辞典の役割を有した――ことを証明してきた。
 「古代エジプト文字の字源」の19回~23回までの5回、エジプト神話に登場するオシリス神、イシス神、ホルス神、トト神、そしてセト神が創造された各銀河を解説し証明してきた。この神々が登場するエジプト神話は下記のごとくである。
 「オシリス神は弟のセトに殺されて死体を切り刻まれる。妹であり妻であったイシスが、バラバラになった体を集めて、オシリスを復元した。そして息子のホルスは父オシリスを殺害した叔父のセトに片目をくりぬかれ、その目は切り刻まれて捨てられた。しかし、学問と文字の神であり、魔術の神のトト神が辛抱づよくそれらを集めて元通りにした。ホルスが復讐をとげて、父の後を継いだ。」
 A図に、上記の神々のモデルとなった各銀河部を示した。この詳細な解説は、前述したように、わがブログ「古代エジプト文字の字源」19回~23回までを参照していただきたい。
E891
(C) 2015 OHKAWA


 A図に示したように、イシス神は国際天文学会が「コールサック」と呼ぶ天体部から創造された。「コール」は英語で「石炭」、「サック」は英語で「袋」を意味するので、「コールサック」は「石炭を入れる袋のごとく真っ黒な暗黒天体部」ということになる。
 今回は、「コールサック」の各部分から作られたヒエログリフの字源の秘密を解明する。この解明によって、イシス神は「コールサック」から創造されたことが確実となる。

◆イアン・ショー&ポール・ニコルソン著/内田杉彦訳『大英博物館 古代エジプト百科事典』(原書房)は紀元前3000年初頭の第1王朝ジェルの代に「天狼星(てんろうせい)の出と太陽年の始まりを結びつけていた可能性があると指摘されている」と記述する。「天狼星」とは全天第一の輝星の「おおいぬ座α星シリウス」である。光度が-1.4等星のシリウスは「イシスの星」と称して崇拝されていた。
 つまり、イシス神はおおいぬ座α星シリウスの化身ということになる。
 今から約5000年前の紀元前3000年初頭ころ、エジプト暦は――夏至の日の太陽が地平線から昇る少し前、1365.25日の周期のイシスの星が東の地平線上に姿をあらわす時を正月元旦とし、45年に1回の閏(うるう)年を置く恒星暦にして太陽暦を採用していた。
 イシス神の化身の「イシスの星」は「天狼星」と称された。ゆえに、なぜイシス神は〔狼の姿〕で表現されずに「コールサック」から創造されたのであろうか。それはイシス神がオシリス神の妻にして妹であったからである。イシスの星(天狼星)が南中する時(真南にて子午線通過する時)、A図に示した「オシリス神」となった「人の横顔に酷似する銀河」は約2時間前に西の地平線下に没していた。このように両者は遠く離れるゆえに「イシス神」を〔天狼星〕つまり〔狼〕の姿であらわすと、遠く離れる「オシリス神=人の横顔に酷似する銀河」の妻にして妹に解釈することがむずかしくなる。だから、「オシルス神=人の横顔に酷似する銀河」に隣接する「コールサック」から「イシス神」は創造された。これによって、両神と両天体部が夫婦にして兄妹となるように関連づけられることになったのである。

◆上記した『大英博物館 古代エジプト百科事典』は、イシス神について下記のごとく説明する。
 「エジプトの典型的な妻および母の美徳を要約したような女神。オシリスの妹であり妻でもあって、またホルスの母でもあることから、ホルスの地上における化身とみなされていたエジプト王の象徴的な母となった。」
 A図に示した「イシス神」が創造された「コールサック」の部分から、B図左側に示す「生命」をあらわす記号の〈アンク〉と「イシスの結び目」と呼ばれる〈ティト〉の二つのヒエログリフが作成された。
E892

(C) 2015 OHKAWA
 
 「オシリス神」が創造された「人の横顔に酷似する銀河の頭部」から垂れる〔オシリスの頭髪〕のように観える星屑の形は、〈アンク〉の字形にソックリであり、また〈ティト〉=「イシスの結び目」と称されるヒエログリフにも相似する。
 リチャード・H・ウィルキンソン著/伊藤はるみ訳『図解古代エジプトシンボル事典』(原書房)は、〈ティト〉「イシスの結び目」について、下記のごとく指摘する。
 「起源はよくわからないのだが、このヒエログリフは、もともとはアンクのヒエログリフから変化したものだったと思われる。二つはとてもよく似ていて、アンクの横棒がティトでは下へたれているだけの違いだ。文字として使われた例を見ると、ティトの意味や象徴しているものはアンクとほとんど同じで、たいていは生命や安楽と訳することができる。」
 これゆえ、B図に示したように、〈ティト〉「イシスの結び目」と〈アンク〉「いのち」のヒエログリフの字源は同一であったのである。
 マリア・カルメラ・ベトロ著/南條郁子訳『[図説]ヒエログリフ事典』(創元社)は、〈アンク〉について次のごとく説明する。
 「このヒエログリフが何をあらわしているかについて、研究者の意見はさまざまに分かれている。ガーディナーによれば、これはサンダルの緒だという。今日、多くの解説書がこの説を支持しているが、確かな根拠があるようには思えない。(中略)
 いずれにせよ、この文字は〈アンク〉という発音をもつヒエログリフとして、古代エジプト文字の誕生以来、あらゆる時代を通して用いられてきた。この文字を使って書かれる〈アンク〉という言葉は、動詞なら『生きる』、名詞なら『いのち』という意味をあらわしている。」
 B図における「〈アンク〉の字形に酷似する星屑の群れ」はエジプトの母を要約したイシス神の胸部にある。子は母たちの胸の乳房の乳を飲んで、いのちを与えられて育つ。ゆえに「コールサック中央のイシス神の胸部に相当する星屑の群れ」を字源・字形とする〈アンク〉は、動詞なら「生きる」、名詞ならば「いのち」を意味することになった。
 B図に示すように、〈アンク〉の字源となるイシス神の乳房はイシス神の手にも相当し、あるいはオシリス神の手の部分に隣接する。だから、エジプト絵画で描かれる神々の手には〈アンク〉が握られている。
 また、B図に示すように〈アンクの下部〉はオシリス神が吹きかける息のように観える星屑の部分(B図では「生命の息の星屑」と記した)となる。ゆえに、C図に示すエジプト絵画で表現された〔神から王、王から臣下に与えられる〈アンク〉〕は「生命(いのち)の息吹き」とされた。
E893
(C) 2015 OHKAWA

 〈アンク〉を「サンダルの緒」と考える有力説の場合、なぜ動詞なら「生きる」、名詞なら「いのち」を意味するのか合点(がってん)がゆかない。またなぜ神々の手に〈アンク〉が握られるのか、〔神から王、王から臣下に与えられる〈アンク〉〕はなぜ「生命の息吹き」とされたかについても明白にならず合点がゆかない。さらに〈アンク〉と〈ティト〉の字形と字義がなぜ相似するのか不明となる。

◆A図の「イシスの後頭部から項(うなじ)に相当するコールサック」の部分に、国際天文学会が「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」と名づけた二つの星雲がある。
 D図の写真上部の大きな星雲が「北アメリカ星雲」であり、D図の写真における下部の小さな星雲が「ペリカン星雲」である。

E894
(C) 2015 OHKAWA

 国際天文学会の名称「ペリカン星雲」は〔ペリカンの姿に相似する〕と見立てられて、その名になった。しかし、D図の写真が示すように、「ペリカン星雲」はむしろ〔キツネの姿〕に相似する。
 「ペリカン星雲」は、E図左側に図示したように〔キツネの姿〕によく似ている。
E895

(C) 2015 OHKAWA
 

 ゆえに、「ペリカン星雲」はE図右側に配する「3枚のキツネの毛皮」のヒエログリフの字源となった。
 
A図の左下の〈ウベン〉「太陽と光線」におけるヒエログリフ上部の円形部は、「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」から図案された。その円形下部に加えられる「3本線」は、「ペリカン星雲に隣接する3本の放射線」を表現する。つまり、E図右側のヒエログリフの「キツネ」は「ペリカン星雲」のことであり、「3枚の毛皮」は「3本の放射線」であったのである。
 F図の上図はステファヌ・ロッシニー著/矢島文夫訳『図説エジプト文字入門』河出書房新社に掲載された、3字のヒエログリフが構成する〈メス〉「生む」の単語をあらわす。
 F図の下図に、3字のヒエログリフのガーディナーのリストの分類番号と意味を記した。
E901
(C) 2015 OHKAWA
  

 F図上下図の右端のヒエログリフは「生む」をあらわす表意文字または決定詞となる。
 G図右側のヒエログリフは「生む」の異体字である。この異体字もF図の左端の「3枚のキツネの皮」をあらわす文字とされる。
E902
(C) 2015 OHKAWA
 
 H図に示す「北アメリカ星雲から垂れる長方形の暗黒天体部の西の辺」は、F図中央のガーディナーのリスト「R29」の「折りたたまれた布」のヒエログリフの字源となった。
E903
(C) 2015 OHKAWA
 
 古王国時代の壁画に描かれた織機からはずされたばかりの真新しい布は、F図の「R29=折りたたまれた布」の字形と同じ形をしたものがある。ゆえに、このヒエログリフは〔誕生したばかりの新生児を包む布〕をあらわしているにちがいない。また、このヒエログリフは赤やオレンジなど派手な色で描くと定められている。H図に示した布を掛けるところとなる「北アメリカ星雲」は赤くオレンジ色に輝くゆえ、これが原因で「折りたたまれた布」のヒエログリフは赤やオレジなどの派手な色で表現すると定まったと考えられる。

◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」の22回・23回で証明したように、イシス神から生まれた子のホルス神は「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」から創造された。
 I図左図の「ホルスの目」のヒエログリフの字源は「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」であり(H図を参照)、「ホルスの目」はI図右図の「ハヤブサ神ホルス」をあらわした。したがって「ホルス神」は「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」から創造されたことになる。
E904
  

 前述したように、F図の左側に配した「3枚のキツネの毛皮」の字源は「ペリカン星雲と隣接する3本の放射線」であった。また、F図中央の「折りたたまれた布」の字源は「北アメリカ星雲と長方形の暗黒天体部の西の辺」であった。これらの字源部は、イシス神が創造された「コールサック」の一部分である。
 上記したように、『大英博物館 古代百科事典』は「エジプト王はイシス神が生んだ息子のホルス神の地上における化身であった。ゆえに、イシス神はエジプト王の象徴的な母となった」と指摘する。「ホルス神」をあらわす「ホルスの目」の字源は「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」であり、「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」は「イシス神」が創造された「コールサック」の一部分である。
 以上のごとく「イシス神」は「コールサック」から創造されたと考えると、学者や研究者たちが未だ解明できない「生命」をあらわす記号の〈アンク〉や「3枚のキツネの毛皮」の字源・字形・字義の秘密が矛盾や不合理な点もなく全体的・系統的な合理が成立して、簡単に明確となる。
 だから、天狼星=イシスの星の化身「イシス神」は「コールサック」から創造されたことは事実となる。

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