古代エジプト文字の字源・26
●「食道のついた心臓」と「マアト神」のヒエログリフの秘密
◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」シリーズは一貫して、前回(25回)まで私が「文字作成銀河」と呼ぶ銀河範囲の各部の形から古代エジプト文字(ヒエログリフ)が作られた事実を証明してきた。この「文字作成銀河」の写真は「古代エジプト文字の字源・23」の冒頭に掲載した。
世界中の古代王朝は〔文字が銀河から作られた学術〕をもって起源し、この学術を権力基盤とした。そして、この学術が反体制側の人々が習得して革命に利用すると容易に王朝は崩壊することに気付き心配して、世界中の古代王朝は一様に〔文字は銀河から作られた学術〕を最も厳重な機密にした。また、この学術を手に入れて革命が成功して樹立された王朝も、前王朝と同じく文字の学術を厳重な機密とした。このように〔文字が銀河から作られた事実〕は世界単一的に厳重な機密とし、文字が銀河から作られた学術が容易に習得されないために、世界の古代王朝は「文字作成銀河」の各部に名称を付けなかった。この歴史の名残(なご)りが現在まで存続し、世界中を探しても銀河各部には名称が存在しない。これゆえ、私は下のごとく文字作成銀河の各部の名称を定めた。
(C) 2015 OHKAWA
◆わがブログ「古代エジプト文字の字源」シリーズでは幾度となく――古代エジプト神話には文字を作って字数を増やす役目があり、また上掲した文字作成銀河は作った文字やことば(語)を知ることができる字書・辞典の役割を有した――ことを証明してきた。
アンドルー・ロビンソン著/片山陽子訳『文字の起源と歴史』(創元社)は107頁で――古代エジプト文字のヒエログリフが出現した紀元前3100年頃より以前であった前王朝期、すなわち王朝が始まる何世紀前から図案や記号が用いられていたことがわかっている。これらの図案には、王朝期のヒエログリフとひじょうに似ているものも、まったく同じものもある――と指摘し、前王朝期の「鍬(くわ)の絵は魂や心を表した」と指摘する。
A図に示すように「十字の銀河」は〔人の立つ姿〕に相似し、その右足が踏む地面となる線は「鬼の姿に似る銀河」を、その左足が踏む地面となる線は国際天文学会が名づけた「北アメリカ星雲」を貫通する(上掲した「文字作成銀河の各部の名称図」の左上に「十字の銀河」「鬼の姿に似る銀河」「北アメリカ星雲」がある)。
(C) 2015 OHKAWA
リチャード・H・ウィルキンソン著/伊藤はるみ訳『図解古代エジプトシンボル事典』(原書房)は――古王国時代の『ピラミッド・テキスト』の第1394~5行は「大地は鍬で掘りおこされた。供物はささげられた……おおゲブ[大地の神]よ、汝の息子オシリスのために、口を開きたまえ」と記している――指摘する。
わがブログ「古代エジプト文字の字源・19」で詳細に解説して証明したように、下のB図に示すように「大地の神のゲブ」は「鬼の横顔に似る銀河」から創造された。
(C) 2015 OHKAWA
わがブログ「古代エジプト文字の字源」は19回以来前回(25回)までに、C図に示す「人の横顔に酷似する銀河」から「オシリス神」が創造されたことを証明してきた。
(C) 2015 OHKAWA
C図右側の図に示すように「人の横顔に酷似する銀河の口」の東隣には〔オシリス神が口を開けて呼吸する息〕に観える「生命の息の星屑」と記した星屑の群れがある。この「生命の息の星屑」の上にある「星屑」は、C図左上の「生命(いのち)」をあらわす記号の〈アンク〉の字源・字形・字義となった。だから、上記した『ピラミッド・テキスト』の第1394~5行の中にある「おおゲブ[大地の神]よ、汝の息子のために、口を開きたまえ」という文は――〔口を少し開けて息を呼吸するオシリス神の「生命の息の星屑」〕と「生命」の記号の〈アンク〉の星屑が永遠に存続して〔鍬〕すなわち農作物の不作や飢饉で地上からエジプトの人々が息絶えて絶滅しないように、「ゲブ[大地の神]」が創造された「口を大きく開く鬼の横顔に似る銀河」に向かって“永遠に口を閉じずに開けているように!”と祈願するものであったことになる。
A図に示したように、「十字の銀河の左右の足」が踏む「大地」(地面)は「大地の神のゲブ」が創造された「鬼の横顔に似る銀河」と「鬼の身に相当する銀河」からなる。つまり、A図の「鬼の姿に似る銀河」は「鬼の横顔に似る銀河」と「鬼の身に相当する銀河」とで構成される。だから、A図の「十字の銀河の左右の足」からの延長線が貫通する「鬼の姿に似る銀河」は〔地面。土地〕に見立てられたことになる。
したがって、前王朝期においては、D図に示すように「十字の銀河の下半身」が〔鍬〕の絵のモデルであったと考えられる。
(C) 2015 OHKAWA
というのも、「十字の銀河の下半身」は「鍬」のヒエログリフの字形に相似し、その足元の部分は〔地面〕に相当し、またその両足のすぐ近くに〔地面を泥のようにやわらかくして原始的な木製の鍬でも耕作や開墾が容易にできて豊かな実りをもたらしたナイル川の洪水〕に見立てられた「激流の銀河」が存在するからである。
また、上記したように前王朝期の〔鍬〕の絵は「魂や心」をあらわしたゆえ、A図に示したように「鬼の姿に似る銀河」を〔地面。土地。農地〕に見立てたことになる。
◆A図を90度転回すると、E図のごとくになる。
(C) 2015 OHKAWA
上のE図に示すように、「鬼の横顔に似る銀河の舌」は「十字の銀河の右足」をなめるかのごとく見え、その右足の地面となる線は農作物(食べ物)を食べる口を貫通し、さらにその線は延びて「鬼の姿に似る銀河の〔心臓部分〕」を貫(つらぬ)く。「十字の銀河の左足」の〔地面〕となる線は、「北アメリカ星雲」の中央を貫通する。「北アメリカ星雲」は〔心臓〕の形に相似し、また〔心臓〕の色のごとく赤い。〔心臓〕は〔心〕と〔魂〕のイメージとなり、人は心臓で生きているので古代エジプト人たちは「死んでも滅びない魂によって生命は再生復活する」と考えた。
E図が示すように、〔鍬が掘る地面〕となる「十字の銀河の両足の延長線」は〔鬼の姿に似る銀河の心臓〕と〔心臓〕の形に相似する「北アメリカ星雲」を貫通し、古代エジプト人は〔心臓〕から〔魂〕を連想した。だから、前王朝期においてはE図の延長線が示すように、〔鍬〕の絵は〔魂と心〕をあらわすことになったのである。
◆E図右下に配置した「食道のついた心臓」と解釈されたヒエログリフの発音は〈ネフェル〉、「善い」を意味する形容詞の発音もまた〈ネフェル〉となる。食道と心臓はつながらず、気管と心臓はつながる。しかし、〈ネフェル〉という言葉はいかなる時にも「気管」と意味では使われなかった。プトレマイオス朝時代には〈ネフェル〉という言葉が「喉」や「食道」の意味でも使われていた。だから、〈ネフェ〉のヒエログリフは「食道のついた心臓」という解釈が、現在、有力説となる。
医学的な視点では、食道と心臓がつながっているという考えは誤りである。しかし、E図が示すように、〔食べ物となる作物を作る鍬〕に見立てられた「十字の銀河の下半身」と〔食べ物を食う口・食物が通過する食道・心臓〕に見立てられた「鬼の姿に似る銀河の部分」は一直線状につながる。医学的には〔食道と心臓がつながる〕ものではないが、「すべてのヒエログリフは銀河の形状から作る」という原則にもとづいて「食道のついた心臓」を字形とするヒエログリフが生まれたのである。
「食道のついた心臓」のヒエログリフ上部は、〔十字形〕である。この〔十字形〕は、E図右上の「十字の銀河の胸部の〔十字形〕」をあらわしている。というのも、〔人体の形〕に酷似する「十字の銀河の胸部」の下には〔人の心臓〕が存在するからである。ゆえに、「食道のついた心臓」のヒエログリフは「十字の銀河の胸の下にある心臓」をもあらわす図案であったことになる。
「食道のついた心臓」のヒエログリフは「十字の銀河」と「鬼の姿に似る銀河」が〔人体〕に見立てられて、ガーディナーのリストのセクションAの「男性とその職業」とセクションBの「女性とその職業」などの多数のヒエログリフが作られたことを現在に伝える。
F図に、A1~A55までの55字のガーディナーのリストのセクションA「男性とその職業」のあらわすヒエログリフの代表例を示した。
(C) 2015 OHKAWA
G図左側に、B1~B7までの7字のガーディナーのリストのセクションB「女性とその職業」を表現するヒエログリフの代表例を配した。G図右側に、C1~C20までの20字のガーディナーのリストのセクションC「人の姿をした神」を図案したヒエログリフの代表例を配した。
(C) 2015 OHKAWA
B図の「鬼の横顔に似る銀河」やC図の「人の横顔に酷似する銀河」は〔人の横顔〕にそっくりであり、またE図の「北アメリカ星雲」は〔目〕に見立てられ「鬼の横顔に似る銀河の両目と後頭部につく両目」は〔目〕をあらわした。さらに「十字の銀河」と「鬼の姿に似る銀河」は〔人体〕に観えるので、D1~D63までのうちの「横顔」、「目」、「乳房」、「手」、「足」を図案するガーディナーのリストのセクションDの「人体の一部グループ」の63文字中の50字のヒエログリフが作られた。
◆H図に「マアト女神」と「ダチョウの羽」のヒエログリフを示した。
(C) 2015 OHKAWA
マアト神(H図左図)は、彼女のシンボルであるダチョウの羽(H図右図)を頭につけている。上記した『図解エジプトシンボル事典』の34頁は「マアト女神は、古代エジプト人の世界観の基本であり、法、正義、真実といった概念の根底にある、秩序を形として表したものである。(中略)。マアトのヒエログリフは、たくさんの小像や護符のペンダントに描かれ、また同じポーズの女神マアト像は多くの絵画に登場している。」と解説する。
I図は、『図解エジプトシンボル事典』の35頁からの転載図である。上記の文が指摘したように、マアト女神は手の平に載せられる小さな像で表示された。
(C) 2015 OHKAWA
J図に示すように、「マアト女神」はI図の「手の平にのるマアト女神の小像」に合致して、「人の横顔に酷似する銀河の右手」となる「鬼の姿に似る銀河」の中にある「はくちょう座α星」から創造された。したがって、H図左図の「マアト女神」のヒエログリフの字源は「はくちょう座α星」となる。
J図に示すように、「はくちょう座α星」の東隣には、E図において「人の心臓」をあらわした「鬼の姿に似る銀河の心臓」がある。
上記した『図解エジプトシンボル事典』は「女神マアトは、真実と正義にも強く結びつけられており、裁判官はそのつとめからマアトの神官と呼ばれていた。死者の心臓の重さをはかる冥界の審判では、心臓はマアトの羽根と重さを比べられることになっていた。そこでほとんどの『死者の書』には、天びんばかりの一方の皿の上に、マアトの羽か女神自身の姿が描かれている。」と解説する。
上記の文中にある「マアトの羽」は、H図右図の「ダチョウの羽」である。J図に示すように、「心臓」の西隣は「マアト女神」が創造された「はくちょう座α星」である。このように「死者の心臓」に見立てられた銀河部と「マアトの神」が創造された「はくちょう座α星」が隣り合うゆえ、冥界の審判では天秤(てんびん)の皿にのせられた死者の心臓は片方の皿にのるダチョウの羽(マアトの羽)と重さを比べられることになったのである。
わがブログ「古代エジプト文字の字源・20」では証明したように、J図に示す北半球に住む人々が最も銀白色に輝いて見える「北天の最耀部(さいきぶ)」をじっくりと観察すると〔ダチョウの羽〕のヒエログリフの字形のような形をしている。ゆえに、「北天の最耀部」が、H図右図の「ダチョウの羽」の字源となった。1等星の「はくちょう座α星」は白色に輝く美しい星である。したがって、「はくちょうα星」は白色に輝く「北天の最耀部」と同じく白色に輝くゆえ、「ダチョウの羽」を頭につける「マアト女神」は「はくちょう座α星」から創造されたことになる。また、「はくちょう座α星」は「ダチョウの羽」のヒエログリフの字源でもあったことになる。
上記した『図解古代エジプトシンボル事典』は「マアトはラーの娘で、ラーとともに太陽舟にのる姿でもよく描かれる」と解説する。J図左上に配する〈ラー〉「太陽」のヒエログリフの字源は「はくちょう座γ星とこの星を円形に囲む銀河部」である。J図に示すように「人の横顔に酷似する銀河」から創造された「オシリス神」の息子の「ホルス神」は「人の横顔に酷似する銀河」より上側の「北アメリカ星雲・ペリカン星雲」から創造されたように、〈ラー〉「太陽」の字源銀河より上側の「はくちょう座α星」からラーの娘の「マアト女神」は創造されたことになる。
以上のごとく、これまでわがブログ「古代エジプト文字の字源」シリーズで何度も証明してきたように、古代エジプト文字・ヒエログリフは銀河から作られたと考えると謎や疑問点や不思議な点と事柄がことごとく“なるほど、そうだったのか!”と納得できて事実となる。だから、銀河からヒエログリフが作られたことは事実であったことになる。
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