真実の日本国誕生史・4
●漢字は倉頡によって発明された
◆前回のブログ「真実の日本国誕生史・3」で解説して証明したように、A図に示す今から約4050年前における中国の夏代(かだい)初頭(わが国の後期縄文時代初頭)、原初漢字の夏音(かおん)文字がわが国に伝来して習得された。
(C) 2017 OHKAWA
「銀河」の別称は「銀漢」、だから「銀漢から作られた文字」を略して中国文字は「漢字」と名づけられた。そして「天皇」は「天にある銀河各部の形状が字源・字形・字義となる学芸に精通した大王」とあらわすものであった。
したがって、夏音文字はじめ甲骨文字・金文・篆文(てんぶん)・楷書(かいしょ)などすべての漢字の字源・字形・字義は下に示す銀河から作られた。この漢字が作られた銀河を、わたくしは「文字作成銀河」と呼ぶことにした。
文字作成銀河の各部には名称が存在しない。これゆえ、わたくしは下図のごとく各部の名称を定めた。
(C) 2017 OHKAWA
漢字はA図に示す今から約5000年前、五帝時代初頭の黄帝につかえた史官の倉頡(そうきつ)が漢字作成原理〔鳥獣(ちょうじゅう)の足跡〕と呼ばれた方法を発明して起源した。
倉頡は自らが考案した文字が最も強大な権力、莫大な富、最高の名声を手に入れる方法であることに気づき、反体制側の人々が文字作成銀河の各部の形状から文字を作った学芸を習得して革命に利用したならば王朝は容易に滅亡するにちがいないと心配した。ゆえに、倉頡は下に記す〔3つの掟〕を破った者には天罰が下されて即刻に死刑に処せられると定めた。
■倉頡が定めた3つの掟
(1) 文字作成銀河の各部の形状から文字が作られた事実を暴露した者
(2) 文字を容易に習得するために、文字作成銀河の各部に名称を付けた者
(3) 書いた文字が用済みになったならば、文字をただちに消せない者または消し忘れた者
上記の(1)の掟によって、今日、「漢字は文字作成銀河から作られた事実」が知られないことになった。
上記した(2)の倉頡の掟によって、現在も文字作成銀河の各部には名称が存在しない。
上記した(3)の倉頡の掟によって、五帝時代の漢字・夏音文字・殷代(いんだい)前半期の漢字を記した資料は、中国において学者たちが「文字である」と認めたものは1点も発掘されていない。また、わが国においても学者たちが夏音文字の文字と認めた資料は1点も出土していない。
しかし、約3300年前から出現した亀の甲羅に刻む甲骨(こうこつ)文字によって、倉頡が定めた(3)の掟は破られた。ゆえに、甲骨文字以後に出現した楷書(かいしょ)は書いた文字を消さなくてもよい文字であった。このため、『魏志』倭人伝の人名・小国名・官職名に用いられた夏音文字は楷書で表記されて残り、また『古事記』上巻の随所に〔音〕という注が付いて多数記載された夏音文字もまた楷書で表記されて残った。
したがって、夏音文字は倉頡が定めた(3)の掟のために書いた文字が出土・発見されないことになったが、書いた文字は消さなくてもよい楷書で表記されたために夏音文字は『魏志』倭人伝と『古事記』上巻に多数残った――だから、夏音文字は実在した。
夏音文字も楷書も、倉頡が発明した漢字作成原理「鳥獣の足跡」に則(のっと)って作られた。だから、夏音文字と楷書の字源・字形・字義は共に文字作成銀河の各部の形状であったゆえ、文字作成銀河を字書がわりにすれば夏音文字の字義を正しく楷書で変換できた。
この秘密にもとづいて、(一)漢字が文字作成銀河の各部の形状から作られた秘密と(二)倉頡が発明した漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕の秘密が『魏志』倭人伝に記載され、この二つの秘密は『古事記』上巻にも記述された。にもかかわらず、この重大な学芸の秘密を新井白石(1657-1725)以後の学者たちは〔誤読〕を用いて葬(ほうむ)った。今日、この〔誤読〕には〔文献批判〕という偽名がつけられている。
◆白石以後から現在までの学者たちは『魏志』倭人伝と『古事記』上巻の夏音文字の字源・字形・字義をまったく解明しない。これが原因で、学者たちは両文献に記述されている(一)わが国に夏音文字が伝来し習得された事実を知らない、また(二)倉頡が発明した漢字作成原理「鳥獣の足跡」についても知らない、このため(三)両文献に記述された真実の歴史がまったく解明できない。学者たちは得意技(とくいわざ)の〔誤読=文献批判〕を駆使(くし)して空論・空想・暴論を国民に押し付ける。
『古事記』上巻に多数記載された夏音文字の字源・字形・字義は文字作成銀河各部の形状であった。ゆえに、『古事記』上巻の記載された夏音文字の字源・字形・字義を文字作成銀河の各部の形状に変換すれば、楷書の字源・字形の原形・原義もまた文字作成銀河各部の形状であることにおのずと気づくように工夫(くふう)して、真実の歴史を解明できる仕組みにした。
倉頡が定めた(3)の掟によって、夏音文字の字源・字形・字義は文字作成銀河の各部の形状となった。
ゆえに『魏志』倭人伝には「倭の占いに用いる辞(じ)つまり言葉と文字は、令亀(れいき)の法のごとくである」と記述されることになった。この記事が証言するように、用済みになったならば直ちに必ず消された倭の占いに用いられた夏音文字は「令亀」すなわち「紀元前1300年の殷代後半初頭に出現した亀の甲羅に文字を刻む甲骨文字のごとく」であったことになる。したがって、わが国には夏音文字が伝来し習得されていたことになる。
また『魏志』倭人伝は「魏の都・帯方郡・諸韓国の文書に用いる楷書と卑弥呼が文書に用いる文字は差錯(ささく/相違)していたので、倭の伊都(いと)国の港では点検し、確認して誤りが生じないように正しく変換していた」とも記述する。したがって、「卑弥呼が文書に用いていた差錯文字」は「夏音文字」であった。伊都国の港では、夏音文字の字源・字形・字義と楷書の字源・字形の原形・原義が共に文字作成銀河各部の形状である学術を知っていたので、文字作成銀河を字書がわりにして卑弥呼が用いる夏音文字と魏都・帯方郡・諸韓国が用いる楷書を正しく変換できたのである。
◆夏音文字がわが国に伝来した約950年前の今から約5000年前、五帝時代初頭に生存した黄帝(こうてい)は東洋最古の医学書『内経(ないけい)』を作ったと伝えられ、“東洋医学の祖”と崇拝された。ヒトの生命の誕生の神秘をつきとめようと発心(ほっしん)した黄帝は、女性の生殖器(せいしょくき)の研究に情熱を傾けた。
“漢字の始祖”と崇拝された倉頡は、黄帝につかえる史官(記録官)であった。黄帝の医学研究の成果をあらわす医学書『内径』作成は、前人たちが着手していない中国最初の事業であった。ゆえに、女性の生殖器の各部には名が無く、ましてはその名をあらわす文字もなかった。この生殖器の名をあらわす文字を作るのは倉頡の役目であった。
倉頡が発明した文字作成銀河から漢字を作成する原理は「鳥獣の足跡」と呼ばれた。
B図に示す女性の生殖器(子宮や産道など)の側身形(そくしんけい)は〔鳥の側身形〕に相似すると見立てられて「鳥獣の足跡」の「鳥」となった。
(C) 2017 OHKAWA
『魏志』倭人伝には「倭には牛馬は無し(生息していない)」という記事があり、[牛]の字源は「ジャコウウシ」、[馬]の字源は「フタコブラクダ」であった。
C図に示すように、〔第5週はじめごろの胎児(たいじ)の姿〕は[牛]の字源〔ジャコウウシの姿〕に類似すると見立てられた。
(C) 2017 OHKAWA
ジャコウウシは天敵(てんえき)のオオカミに襲われると子どもを真ん中にかくして円陣を作って防衛する。だから、この神秘的な習性が注目されて、〔ジャコウウシ〕は漢字作成原理を象徴する聖獣(せいじゅう)となった。
D図に示すように、〔第7週ころの胎児の顔の両端にある両目〕は[馬]の字源〔フタコブラクダの顔の両端にある両目〕に相似する。
(C) 2017 OHKAWA
フタコブラクダの母親は死産した子を愛(いと)しんで母親を亡くした子がいても乳を与えないという。フタコブラクダのわが子を思う情愛も深い。ゆえに、〔フタコブラクダ〕もまた漢字作成原理を象徴する聖獣となった。
わが子を思う愛情が深く感動的な[牛]の字源「ジャコウウシ」と[馬]の字源「フタコブラクダ」は、漢字作成原理名「鳥獣の足跡」のうちの「獣」をあらわした。
〔歳差(さいさ)〕という天文現象を利用すると、今から約5000年前の黄帝時代に中国各地の天頂にめぐってきた銀河の様子を再現できる。
E図は、黄帝時代における北緯35度36分の黄帝陵・陝西省(せんせいしょう)黄陵(こうりょう)県の黄帝を祭る廟(びょう)と墓、そして北緯31度の中国南部の海岸線近くにある太湖(たいこ)の南岸の天頂緯度線図である。
(C) 2017 OHKAWA
黄帝時代には上に掲載した文字作成銀河各部の名称図の右上にある、わたくしが「十字の銀河」と名づけた銀河が中国の天頂にめぐってきた。
F図に示すように、「十字の銀河」は子どもを生む女体に相似する。
(C) 2017 OHKAWA
F図に示すように、「十字の銀河の子宮(生殖器)部」は「胎児がやどる妊婦(にんぷ)の腹部」と重なる。この「十字の銀河の妊婦の腹部のような銀河部」は、「「十字の銀河の右足」のようにも観える。
漢字は文字作成銀河の各部の形状を観て何に類似するかと想像して作られたゆえ、「十字の銀河の右足」から「足跡」を連想して漢字作成原理名〔鳥獣の足跡〕のうちの「足跡」をあらわすことになった。
以上のような事情から、倉頡が発明した漢字作成原理は「鳥獣の足跡」と呼称された。
◆倉頡は、当時中国各地の天頂にめぐってきた「十字の銀河」を〔文字作成銀河各部の形状から作られる(生まれる)すべての文字を生む母体〕と定めた。
だから、G図に示すように「文字」の[文]の金文形は「十字の銀河」を〔胎児がおなかにやどる妊婦〕に模(かたど)って作られた。
(C) 2017 OHKAWA
したがって、用済みになると直ちに消された夏音文字の[文]の字源・字形・字義は「十字の銀河」があらわすことになった。
「十字の銀河」は[文]の字源・字形・字義となった。これゆえ、中国の五経の第一に挙げられる古典『易経』繋辞(けいじ)下伝は「鳥獣の足跡」を「鳥獣の文」と記した。
H図に示すように、「十字の銀河」は[宀(べん)]の字源・字形・字義となり、「鬼の姿に似る銀河」が[子]の字源・字形・字義となって、[宀]と[子]で[字]の文字が構成された。
(C) 2017 OHKAWA
ゆえに、用済みになると直ちに消された夏音文字の[字]の字源・字形・字義、言いかえると[字]の夏音文字の資料は、H図の「十字の銀河・鬼の姿に似る銀河」であったことになる。
H図における[宀]は「文字作成銀河の各部の形状から作られた(生まれた)すべての字の母親は、十字の銀河である」とあらわし、[子]の字源は「黄帝が研究した母体から子どもが生まれる出産の状況」をあらわすことになった。[子]の字源にはこのような秘密があったので、「銀河から作られた漢字の学芸に精通した中国と帝王とわが国の天皇」は「天子」と呼ばれることになった。
“字書の聖典”と尊重される2世紀前半に著作された『説文解字(せつもんかいじ)』は、I図の銀河の形状にもとづいて[字]の字源となる銀河の形状を〔十字の銀河の乳房(F図に記入した右足と腹部にも観える銀河部)から出る乳で養われる子〕に見立てて、[字]の字源を「乳するなり」と解説した。
(C) 2017 OHKAWA
◆I図が示すように、「鬼の横顔に似る銀河」には「十字の銀河」を見上げる〔両目に観える銀河部〕があり、「鬼の横顔における後頭部とアゴとなる銀河部」にも〔両目に観える銀河部〕がある。つまり、H図に示した[字]における[子]の字源「鬼の横顔に似る銀河」には「目の銀河」が四つある。このため、J図に示すように倉頡を描く肖像画には目が四つ描かれた。
(C) 2017 OHKAWA
これゆえ、倉頡伝説は「太古、黄帝の時代に、倉頡という四つ目の怪人がいて、鳥獣の足跡から始めて文字を作り、古来の結縄(けつじょう/約6000年前から約5000年前までの三皇時代の占いに用いた記号の名称)に代えたので、天は祝福して粟(ぞく/穀物)を降らせ、死霊が感激して泣く声は夜な夜な空に聞こえたという」と説明することになった。
上記した記事後半の「天は祝福して穀物を降らせ、死霊が感激して泣く声は夜な夜な空に聞こえたという」という文は「占いに用いる記号の結縄があったが文字がなかった三皇時代の先祖たちは、倉頡の漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕の発明によって三皇時代の歴史が後世に伝えられることになった。それゆえ、夜な夜な輝く銀河の形状で作られた文字で歴史が伝えられることになった三皇時代に死んだ祖先たちの霊は感激し泣いて天から雨を降らして乾いて固くなった土地がドロのように柔らかくなって原始的なスキなどの農具でも容易に耕作しあるいは開墾(かいこん)できるようにして地上に豊かな穀物つまり豊作をもたらした」と意味するものであった。
京都大学大学院教授の阿辻哲司(あつじ・てつじ)氏が著作した『図説
漢字の歴史』(大修館書店発行)は10頁で、〔蒼頡(倉頡)の絵〕について、下記のごとく解説する。
「その黄帝の下で〔史官(しかん)〕という官職について記録を担当していた蒼頡は、鳥や獣の足跡を観察して漢字を発明したほどの人物だから、普通の人間よりもはるかに観察眼が鋭かったにちがいないと想像され、そこで蒼頡には目が4つあったという伝承が生まれた。もちろん現代的な観点からいえば荒唐無稽な話であるが、しかし過去に絵に描かれた蒼頡は、たとえば後漢の墓の内部から発見された画像石(がぞうせき/石に画像を刻みつけたもの)でも、またずっと後代に描かれた絵でも、目がはっきりと4つ描かれており、過去の中国人はその伝承を事実としてうけとっていたことが分かる。また彼が漢字を発明した時には天の神がその偉大な発明に感動して粟(ぞく/穀物の総称)を空から降らせたとか、いろいろな神秘的な現象が起こったと古い文献には記されているが、それらも中国の文化の中で漢字が果たしてきた役割の大きさを反映する説話であろう。」
阿辻先生と同様に学者たちはこぞって、倉頡伝説を誤読しまた倉頡の絵における顔に描かれる〔四つの目〕を荒唐無稽(こうとうむけい)な空想話であると断定して、[子]の字源「鬼の姿に似る銀河の顔や首にあるく〔四つの目〕」が〔黄帝の女性生殖器と出産の研究〕や〔倉頡が発明した漢字作成原理・鳥獣の足跡〕などを伝える重大な役割があることを抹殺(まっさつ)した。
◆また〔四つ目〕には、上記した〔倉頡が定めた3つの掟〕をも示す役目があった。
K図に示すように、「鬼の後頭部とアゴにつく両目の銀河」は「長方形の暗黒天体部」をにらみつける厳(きび)しい目つきに観える。
(C) 2017 OHKAWA
これゆえ、「長方形の暗黒天体部」は[刑]の字源・字形・字義をあらわすことになった。つまり「長方形の暗黒天体部」は倉頡が定めた「書いた文字が用済みになったならば直ちに文字を消せない者は死刑にする」という(3)の掟を示す[刑]の文字となった。
わが国の中国古代文字研究の第一人者とされる故・白川静博士が著作した『字統』(平凡社発行)は、[形]の字源解説で「井は刑および型の初文で、(中略)、井は首枷(くびかせ)の形であるから刑の意となる。(中略)、彡は色彩や光沢などの美しさを示すもの」と指摘する。ゆえに「長方形の暗黒天体部」は、[刑]と[型]の初文(最初の文字)の[井]の字源であったことになる。その証拠に、「鬼の姿に似る銀河」の首に隣接する「長方形の暗黒天体部」は〔首枷(刑罰として、首を自由に動かすことができない首にはめるわく)〕に相似する。だから、『字統』が解説する[井]と[刑]の字源は「長方形の暗黒天体部」であった。また、『字統』が解説する[形]の字源は「長方形の暗黒天体部」であったことになる。
[井]の字義は「井戸」であり、「長方形の暗黒天体部北部の正方形」は「井桁(いげた/木で正方形に組んだ井戸の地上のわく)」を、「長方形の暗黒天体部南部」は「井筒(いづつ/地中に埋まった井戸の筒の部分)」を、「長方形の暗黒天体部」の東隣の「激流の銀河」は「井戸水となる地下水」をあらわした。
L図に示すように、「長方形の暗黒天体部」は[命]と[田]の字源となった。
(C) 2017 OHKAWA
「長方形の暗黒天体部」をにらみつける「目の銀河」に隣接する「三角形の暗黒天体部」は[命]の上部の[亼(しゅう)]の「三合(さんごう)」であり、[亼]の下部の[口]はL図左図の「女性生殖器における子宮口(しきゅうこう)と膣口(ちつこう)」をあらわした。医学が発達していなかった古代においては、子宮口と膣口の間の産道(膣)を通過できずに命を絶つ胎児が多数いた。したがって、[亼]の下部の[卩(せつ)]は「産道を通過する胎児」を図案するものであった。「胎児が無事に出産するか死産するかは祈って神の命令を待つものであったゆえ、神から祝福されて与えられたもの」を「命」といった。これゆえ、[命]の字義は「神の命令」をあらわして「命令」を意味することになった。
隣接する「激流の銀河」は「乾(かわ)いて固くなった土地に川や池や湖から入れる水」に観えるゆえ、「長方形の暗黒天体部」は「水でドロのように柔らかくなった開墾地や農作物(穀物)を植える田」をあらわすことになって[田]の字源でもあった。
M図に配した「十字の銀河の両足・股(また)の部分・帯状の銀河」と「長方形の暗黒天体部」は[冂(けい)]の字源となった。[冂]に[人]が加わって[内]の字が生まれた。ゆえに[内]の字は「人(子)が女体内で育って出産する生殖器官」をあらわすことになった。だから、黄帝が女性の生殖器官を研究した書物の名には[内]の字が付いて『内径』となった。
(C) 2017 OHKAWA
[冂]に「千木(ちぎ)」をあらわす[X]が加わって、M図右下に配する[学]の字が生まれた。
白川静著『字統』は[学]の字源を「卜文(M図右側の契文のこと)にみえるメンズハウスの建物は千木形式で、わが国の神社建築と似ており、そこで秘密講的な、厳しい戒律化の生活がなされたのであろう」と解説する。
わが国には倉頡が発明した漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕を保存した夏音文字が伝来し習得されるものであったゆえ、わが国の神社建築はN図に示すように[学]の契文(けいぶん/卜文=殷代の甲骨文字)の形に合致して、屋根のむねの両端にX字形に木材を交差させた千木が取りつけられることになったのである。
(C) 2017 OHKAWA
出産第1期の開口期(かいこうき)においては、子宮頸管(しきゅうけいかん)がひろがって子宮口が開いていくと、胎児の頭は上部では左右が広く下部では前後のほうが広い骨産道(こつさんどう/骨盤の産道)に応じて向きを変えて通る。正常の分娩(ぶんべん)の場合には骨盤入口の上では胎児はアゴを胸につけた姿勢で胎児の背中は母体の左または右にある。中ほどに来ると胎児の頭は斜め後ろ(母胎の背側)に顔をむけ、出口では顔をすっかり後方に向ける姿勢となる。
次は、O図に示す出産第2期の娩出期(べんしゅつき)である。
娩出期では、骨盤の出口に近くある胎児の頭が母体の直腸を圧迫するので自然に怒責(どせき/大きな声を出していきみ、きばる行為)がおこり、腹圧が加えられる。陣痛(じんつう)と腹圧との力で胎児の頭はますます押し下げられ、ついに陣痛が発作(ほっさ)するときには膣口から胎児の頭が見えるようになる。さらに進んで胎児の頭の最も大きい部分が膣口を通過しようとするときに、胎児の頭はふたたび母体の左または右を向くが、これは肩の部分が骨盤出口を通るためである。肩はまず上(母体の腹側)にあるほうから先に、次いで下(母体の背側)の肩が出ると、あとは一気に生まれる。
このような「開口期と娩出期における胎児の神秘的な頭の複雑な旋回(せんかい)」は、M図の[学]の字形における[X]であらわされ、またN図の「千木」であらわされた。
以上のごとく、わが国の千木がそびえる神社建築は黄帝の女性生殖器と胎児の出産の研究と倉頡が発明した漢字作成原理〔鳥獣の足跡〕を伝承するものであった。だから、今から約4050年前の後期縄文時代初頭に夏音文字がわが国に伝来して習得されたことは確かな事実であったのである。したがって、『魏志』倭人伝と『古事記』上巻には夏音文字が多数記載されることになった。
■追補/楷書の[字]と[学]に[子]の字が付く秘密について
契文(甲骨文字)は今から約3300年前の殷代後半に出現した。金文は契文より約300年後の今から約3000年前の西周時代に出現した。
[字]の契文は発見されていない。H字に示した金文[字]の冠の[宀]は、M図に示した契文の[内]と[学]の[冂]と同形である。上記したように、[内]の契文形は「人(胎児)がやどって育って出産する女体内の生殖器」をあらわし、[字]の金文形の[宀]は「文字作成銀河の各部の形状から作られたすべての字が生まれる母体」である「十字の銀河」、または「すべての字が生まれる生殖器の、十字の銀河の子宮」をあらわした。
ゆえに、契文[内]の[冂]は「女体内の生殖器に見立てられた、すべての字が生まれる十字の銀河の子宮」をあらわし、金文の[字]の[宀]もまた「女体内の生殖器に見立てられた、すべての字が生まれる十字の銀河の子宮」をあらわした。したがって、契文の[冂]=金文の[宀]であった。
[学(學)]の楷書の冠は、上記したように「出産の開口期から娩出期までにおける神秘的な胎児の頭の複雑な旋回」を図案する契文の[X]である。この[X]に[冂]が加わって、[学(學)]の契文形が作られた。
H図の契文形の[学(學)]には[子]が付いていない、しかし、金文[字]の[宀]の下には[子]が付いており、そして契文の[冂]=金文の[宀]であったゆえ、楷書の[学(學)]の下には[子]が付くことになったのである。なお、[学(學)]の金文形には[子]の図書が付いている。
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